近年の焼き鳥店はおしゃれなプレゼンテーションの店が増え、大人のデートの定番に。

なかでも港区エリアの店は、遊び心たっぷりの仕掛けが満載で、恋人を確実に喜ばせられるはず!

そこで今回は、無二の焼き鳥体験でゲストを楽しませる名店をピックアップ。

「こんな焼き鳥デート、初めて♡」と、彼女も思わずうっとりするような切り札だ。



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。


▽INDEX

1.美しいプレゼンテーションに心奪われる@六本木

2.目につくものすべてがリッチな空間で、“幻の鶏”を楽しもう@西麻布

3.未体験の希少部位の数々に、鶏の新たな可能性を感じる@西麻布


1.美しいプレゼンテーションに心奪われる@六本木
『YAKITORI 燃es』


常に新しいチャレンジを繰り返すのもまた、港区という場所の持つ特性。

人気焼き鳥店が新しく導き出したのは、さまざまなジャンルの技法を借りた料理のアプローチだった。



コース仕立ての高級焼き鳥店がひしめき合う港区。

その中で個性派の一軒として、鶏肉の魅力を追求してきた人気焼き鳥店が、新たに誕生させたのが『YAKITORI 燃es』。

他店とは一線を画す鶏肉へのアプローチはそのままに、フレンチの技術を持つシェフとタッグを組み、新境地を切り開いた。


見て美しい、食べて美味しい前菜の数々に心を奪われる


コースはかわいらしいアミューズからスタートし、フレンチと見まごう野菜の皿と続く。

さまざまなジャンルの手法を取り入れた緩急に富んだ一品料理の楽しさは、焼き鳥の範疇を軽く超えている。



モダンキュイジーヌのようなアミューズに心をつかまれる。

「レバーパテとイチジクのジャム」。パテの旨みをイチジクの優しい甘さが包み込む。



約10種類の野菜を、それぞれに合う調理法で調理した「サラダ」。

美しいプレゼンテーションはまるでフレンチのようだ。


スタンダードな串たちも、もちろん絶品!


しかし実は、焼き鳥から軸足は一歩も外に出ていないのだ。

「鶏肉と野菜しか使っていないんですよ」と、料理長の沼能大輔さん。

それは、肥育日数までこだわり、この店のために育てた「媛っこ地鶏」を最大限に生かすため。

沼能さんは「しっかりエイジングした鶏肉で、もっと焼き鳥を極めていきます。ワインについては、伸びしろのある日本ワインを紹介していきたいです」と語る。



大葉を巻き込んだ「ささみ」は、一度塩水につけているので、焼き上げてもふっくらとした柔らかさを保っている。遊び心が光る見た目だ。



皮目はパリッと焼き上げ、中にとろりとした焼きねぎを抱き込んだ珍しいスタイルの「ねぎま」。

イタリアのまろやかな塩でいただく。



「手羽のコンフィ」は、骨を外してからコンフィをしているので食べやすい。

ジューシーかつ甘い脂が特徴で、ワインを呼ぶ一品。



鶏肉は独自の手法でいったん寝かせて旨みを引き出し、部位によっては肉を柔らかくするブライニングを行うなど、鶏を極めるための研究に余念がない。

これは既成の焼き鳥という概念にとらわれず、鶏肉の本質を求めてたどり着いたたまものなのだ。


2.目につくものすべてがリッチな空間で、“幻の鶏”を楽しもう@西麻布
『焼鳥 篠原』


港区の奥座敷のような星条旗通りを、ますます大人の場所たらしめたこの一軒。

一流品に彩られた艶やかな店内には、大人をときめかせるひとときが待っている。



研ぎ澄まされた料理はもちろんのこと、小さな道具ひとつにも心地良い刺激を受ける店が港区には点在する。

ここ『焼鳥 篠原』もまさにそう。


高級感あるしつらえや華美な小物たちが、今宵の密会に花を添える


御神木の一枚板の檜を使用した、和風のカウンター。

全てに最高を求める店主・篠原有登礼さんが選んだ鶏は、天才養鶏家と名高い高坂英樹さんが育てた「神戸高坂鶏」。

限られた店にしか出荷されないその希少な鶏肉は熟成してこそといわれ、こちらでも店奥の熟成庫で眠らせている。


国内随一の幻の鶏を、心ゆくまで堪能する特別感に心が躍る


「つくね」は表面を少し焦がしてカリッと、噛みしめるとふわっと柔らかくジューシー。

肉の旨みを堪能できる塩味で。



あめ色にこんがり焼いた皮と、弾力のある肉質がたまらない「肩」。



こんがりと焼き上げた「手羽先」も塩味。さっと酢橘を絞って、さっぱりとさせている。



店内のしつらえにも、篠原さんの高い美意識は感じ取れる。

繊細な表情を見せる土壁や、照明に浮き上がる樹齢2千年の檜のカウンター、手元に目を落とせば、さりげなく置かれたルイ・ヴィトンのコースター。

クロムハーツのグラスにワインが注がれる頃には、手に触れ、目にするすべてが極上であることに気づかされる。



ルイ・ヴィトンのコースターなど、細部に至るラグジュアリー感は抜かりない。



ワイングラスは、バカラとクロムハーツがコラボした特別な逸品。

光にきらめくカッティングがまぶしい。



メトロポリタン美術館を始め、世界的に認められた陶芸家・辻村史郎さんの陶器を多く使用する。

迫力ある花器は、辻村さんの弟子でもある息子さんの作品。



さまざまな部位を合わせた「生つくね」は、コースの最初の一品。

醤油漬けのきんかん、芽ねぎをのせてのりで巻く。口の中で塩気、のりの香り、きんかんと肉の旨みが一体化する。



SNSを賑わせた「リースサラダ」はギフトのように箱に入った姿で、コースの序盤にお披露目する。

この日は、さまざまなベビーリーフと鮮やかなマリーゴールド。


極上のペアリングもリッチに楽しめる


焼き鳥や前菜に合わせてソムリエが選んだワインが充実。ペアリングはその時々で内容が変わる。

お造りに合わせたいシャブリ、塩味の焼物ならイタリアのリースリング、タレ味にはブルゴーニュなど。ペアリング7杯 16,000円。



刺身でも食べられる「白肝」は、神戸高坂鶏ならでは。タレをつけてレアに焼き上げている。



脂がしっかりのって味の濃い「かしわ」は、肉の個性を際立たせるラー油と甘辛いタレをブレンドしたタレで。



篠原さんの気さくな話術で心はほぐされ、至って和やかに時は過ぎる。

本物に囲まれた空間と希少な地鶏の美味の相乗効果が、艶やかな夜をもたらしてくれるだろう。


3.未体験の希少部位の数々に、鶏の新たな可能性を感じる@西麻布
『焼鶏 ひらこ』


焼き鳥は“手堅い”という理由でデートによく選ばれる。しかし、それくらいの感覚で西麻布の『焼鶏 ひらこ』へ行くと、うれしいギャップの連続となるだろう。

鶏が串に刺さっていないところから普通じゃない。そして、美味しさもまた規格外なのだ。


黒を基調にしたスタイリッシュな雰囲気が、今宵の特別感を後押しする


フレンチや中華の最高峰を食べ慣れた大人が「焼き鳥でこんなに満足するとは!」と、『焼鶏 ひらこ』をリピートする。

店主の高岩 誠さんが地元宮崎で育てる飛来幸鶏が、複雑みも奥深さも一流店が使う素材に負けていないからだ。

串に刺さないことも味にゆえんするが、それには根拠がある。

「飛来幸鶏は弾むような食感があり噛むごとに旨みが伝わるから、四方八方から火を入れて大半は焼き切ります。

食感のコントラストを楽しむ柔らかいお肉であれば串が向いているはずですが、串に刺さないことで持ち味が最大限に生きる鶏も存在するんです」と高岩さん。

日本一長い500日という期間、丹念に育てられた鶏にセオリーは通じない。


ここでしか味わうことのできない希少部位のオンパレードに杯が進む


肛門の括約筋である「きんちゃく」。

鶏のお尻は肛門と卵を生む場所が一緒なので、メスの方が筋肉が動いていて美味しい部位。



「プルミエ」は、鶏1羽のもも肉一枚からこのひと切れしか取れない希少部位。

ずっとかんでいても食感が変わらず、旨みが出続ける。



マリアージュのために提供するお酒の一部。

ルフレーブのブルゴーニュブランから、蔵元自ら無農薬の原料作りを行う日本酒の「嘉村壱號田 生酛 生原酒」や芋焼酎の「山美娘」まで、すべて原料に優れたお酒を多種類提供する。



大豆を添えた「ぼんじりベーコン」。

大豆のふくよかさがぼんじりの深みを増長させ、そのあとの日本酒までぐっと美味しくする。



胃袋の上にある「あ」。

良い餌を食べていないと内臓が美味しくないため、飛来幸鶏だからこそ出せる部位。



ワインも和酒も、飛来幸鶏の飼育と同じく原料にこだわった造り手のみ仕入れている。

鶏をかみ、美味しい瞬間ごとにお酒を飲むと、もはや“気持ち良い”といった感覚のマリアージュがやってくる。

意外なほどシックな内装に鶏への底知れぬ情熱、未知のマリアージュまで、驚きの連続となる夜は西麻布で叶う。


〆とデザートも“飛来幸鶏”はひと味違う


右は鶏同士に血縁のある「親子孫丼」。肉、卵、出汁に飛来幸地鶏を使用し、孫は出汁を表す。

左は卵と牛乳、砂糖だけで作ったプリン。最小限の材料で卵の濃厚さが際立つ。


鶏に“憑り”つかれた男がこだわりに語る


飛来幸鶏を育てるきっかけは子どもの頃に遡ります。村で自給自足の生活をしていた祖父の家に行くと鶏がいて、それがもの凄く美味しかったんです。

当時に体験した味わいをお届けしたいとの思いで、鶏を育て始めました。理想はあの頃に食べた鶏。そのためには自然回帰の環境で育てることが必須だったので、宮崎県小林市で放し飼いを始めたのです。

標高400mの避暑地で、人間が過ごしやすいように鶏も過ごしやすい気候の地域です。



放し飼いにすることでストレスなく運動できるし、太陽の光をたくさん浴びられる。鶏も人間と同じで、日光を浴びることで健康度が増すんです。

餌は、地元で作られた野菜や穀物にそれらを独自に発酵させたもの。もちろん、すべて無農薬。

鶏の美味しさの重要な要素のひとつは餌ですが、飛来幸鶏の餌には風土豊かな小林市のものが多く含まれています。

食べるもので決まるわけですが、ワインでいうところのテロワールと同じ話です。

そんな環境で育つ作物を鶏が食べると、卵と肉のポテンシャルが最大限まで引き上がります。だから小林市で育てることに意味があります。



さらに、うちでは500日かけて健やかに成長させます。

一般的なブロイラーが40〜50日、地鶏で普通120〜270日なので、飼育期間は日本一長いと思う。今の時点でも長期間飼育する分、普通の鶏の数倍の費用がかかる。

養鶏場を始めて11年後に、やっと納得いく飛来幸鶏が完成し、約10万羽近い鶏を見てきました。鶏の持てるポテンシャルを最大限に引き出しているので、かむ回数で見事に味わいが変化していくんです。

肉そのものから出る旨みや香りを楽しむには、シンプルがベスト。ただ焼いて味つけは塩のみ。

飛来幸鶏は、まさに“焼き鶏”に向いている鶏なんです。

高岩氏は「『ひらこ』としてはあと10年以内。人の喜びが僕のやりがいで、そのためには規模を大きくしたい」と語る。

海外展開も視野に入ってるそうで、今後とも活躍に注目したい名店だ。



焼き鳥デートに対して築いてきたイメージを覆す、極上の鶏体験ができる名店たち。

港区の食べ慣れた大人をも魅了する一軒へ、ぜひ大切な人を誘って訪れてみて!


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