都立大学の住宅街に、世代を超えて支持され続けるトラットリアがある。

50種類を超えるメニューが住民の心を満たす『トラットリア ラ バラッカ』。

アットホームな雰囲気に、オープン当初から愛される定番メニューなど、足を運びたくなる要素が満点だ。


ふらりと立ち寄って、幸せを持ち帰る。街を見守る30年選手


ナポリピッツァ、という存在を初めて知ったのはいつのことだったか。

思い出せないほど、今ではピッツァ=ナポリが当たり前となったが、同店がオープンした1993年頃、30年前にはナポリピッツァはおろか、窯焼きで提供する店すら皆無だったという。



「前オーナーがイタリア人だったことが大きかったですね。当時店にいたピッツァ職人はナポリのピッツェリアの息子で、焼き方から何から、教えてくれました」と現オーナーシェフ・吉田貴男さん。

現在の薪窯は20年ほど前に新しくなった二代目だが、仕上がる味は今も変わらずだ。

店の8割が常連というだけあり、親子3代で訪れるゲストも多い。

「ずっと店を支えてくれてきた常連さんが気持ちよく帰れること。それをまず考えています」

いつ訪れても“お目当て”が見つかるよう、定番はそのままに、旬の食材が並ぶ黒板メニューで季節をお知らせする。

三崎港から届く新鮮な魚介類や、惚れ込んだ農家のトマト、甲州ワインビーフなど、積み重ねてきた信頼があってこそ手に入る食材もまた、名脇役として店を支える。


いまでは定番の組み合わせのピザも、この店が発祥!


通常の牛よりも味が濃厚な甲州ワインビーフを香味野菜で煮込んだボロネーゼ。パスタでは不動の人気メニュー。

甘く仕上げることなく、力強い肉の旨みとトマトの酸味をストレートに生かした。レギュラーサイズ 1,930円。



三崎港から入荷する朝どれの鮮魚を窯焼きでグリル。皮目はパリッと、身は遠赤外線効果でふっくら仕上がるのが特徴。

この日は黒鯛をニンニクとオリーブオイルのソースで。3,190円。



「生ハムとルッコラのピザは、うちが東京初だと思う」とは吉田シェフ。

開店当初から並ぶ定番メニューだ。2,530円。


30年前から窯焼きにこだわり続ける


ブナとナラの薪を巧みに操り、火加減を調節するのはシェフの右腕、松永侑祐さん(人物写真左)。



ナポリピッツァというと、認定マークが広く知られるが、日本のナポリピッツァ協会が設立されたのは2006年。

それ以前から店を開く吉田シェフは、「うちは認定がなくても、お客さんはわかってくれている」と胸を張る。



10月に30周年を迎えるが、気負いはない。

これからも変わらず、驕ることなく、街と人に寄り添っていく。


■店舗概要
店名:トラットリア ラ バラッカ
住所:目黒区中根2-11-4 2F
TEL:03-5701-4020
営業時間:【火〜金】17:00〜(L.O.22:30)
     【土・日・祝】ランチ 11:30〜(L.O.13:30)
            ディナー 17:00〜(L.O.22:30)
定休日:月曜
席数:テーブル50席


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