表参道、外苑前、青山一丁目…青山エリアの路地裏にある、高級感と色気を兼ね備えた人気店をピックアップ!

今回は、外苑西通り近くで“和”な夜を楽しめる3軒をご紹介。デートにもぴったりな名店がこちら!


1.和の風情漂うカウンターで味わう、しっぽりフレンチジャポネーゼ
『鳴神』


外苑西通りから近いが、奥まったビルの中に潜む『鳴神』は今年で20周年。王道を歩んできたフレンチのシェフが、長いキャリアの中で追求したのは独自性だ。

まるで和食店のような空間では、和仏折衷なコースとともに粋な夜が約束される。


淑やかなムードに迎え入れられる、堅苦しさとは無縁の心和むひととき


入口の暖簾からもうフレンチとは思えない空気感。客席はカウンターのみで、木目の美しい折敷が整然と並べられている。

フランスの名店『トロワグロ』などで腕を磨いた鳴神正量さんが、銀座で独立を果たしたのは2003年。



当初からジャンルにとらわれず、イノベーティブな料理を作ってきたが、西麻布、南青山と移転&リニューアルを繰り返すうちにたどり着いたスタイルが「“フレンチジャポネーゼ”だった」という。



日仏の垣根を超えて繰り出される自在な皿の数々にシェフの感性が宿る


当意即妙に調理する割烹のライブ感を理想とし、和食をリスペクトするフランス人の感覚で国産食材を駆使し、唯一無二の料理を創造している。



ハモが入れば松茸と合わせ、フュメドポワソンで炊いて吉野くずでとろみをつける。



タコの桜煮を仕込んだらラタトゥイユのペーストと合わせる。

その発想力は天才的だが、食べれば誰もが納得する一体感がある。



「アナゴとアオリイカ、ウイキョウとレモンのコンフィソース」。

昆布だしで穴子の煮凝りを作り、炙ったイカとハーブが香るコンフィチュールの上に盛り付けた。



〆は土鍋ご飯が定番で、この日は「サワラの炊き込みご飯」。

料理はすべてコース(18,700円)より。


20時以降はアラカルトのオーダーも可能に!


着地点はフレンチだが、不思議と懐かしさを覚えて落ち着く。

和の風情とも相まって、ふたりでしっぽりと過ごせること必至なのだ。


■店舗概要
店名:鳴神
住所:港区南青山3-4-6 AOYAMA346 102
TEL:03-6447-4866
営業時間:ランチ 12:00〜(L.O.13:00)
     ディナー 18:00〜(L.O.21:00)
定休日:不定休
席数:カウンター10席


2.青山にふさわしい和食デートなら、高級感よりセンスがものをいう
『いち太』


青山で和な気分になった夜に重視したいのは、垢抜けた雰囲気を持つ店であること。

隙のない高級店もいいが、空間や料理の細部にセンスが冴える和食で贅沢を感じるのが幸せである。

瀟洒なビルの1階に入る『いち太』は、まさに理想型だ。



カウンターに並ぶのは“カール・ハンセン”のイス。北欧の銘品が檜の一枚板と調和し、腰掛ければ誰もがリラックスする。

昨今、和食も一斉スタートが増えてきたが、「好きな時に来ていただきたいですし、その方が会話もしやすいはず」と話す店主の佐藤太一さん。

デート利用としてもありがたい見解だ。



そんな店で響くのは、「よしいこう」といった佐藤さんと弟子たちの清々しい掛け合い。

佐藤さんが弟子にかける礼や丁寧な言葉を聞くと、心地良い空間は人柄あってこそだと感じるだろう。


ハイレベルな国産食材こそ、センスの良い組み合わせで違いが冴える


美しい所作でテンポよく出る料理は、ひと皿ごとに仕事が詰まっている。

骨切りと湯引き後に揚げたハモは、シンプルに見えて繊細な下処理があると口内で知る。



〆の手打ち蕎麦は5種から選べるが、中でも旬の蕎麦がセンスを感じやすい。

例えば夏は「鮎のかけ蕎麦」で、甘苦さに再び日本酒で乾杯したくなる逸品だ。



大和芋とオクラ、キャビア、花穂ジソをのせた「水茄子と車海老」。

なすは揚げてから油抜きし、出汁に1日漬けているので上品な旨みを含んでいる。



食器店と相談して夏用に製作した銀椀に入った「毛蟹しんじょうと冬瓜のお椀」。

出汁は日高昆布にまぐろ節と鰹節を合わせたもの。料理はすべてコース(36,300円)より。


ワイングラスで嗜むレアな日本酒を発見!


1階に店を構えたのは「飲み過ぎても転ばないように」という店主の計らい。

身を委ねて美酒に酔いしれたい。


■店舗概要
店名:いち太
住所:港区南青山3-4-6 AOYAMA346 101
TEL:03-6455-4023
営業時間:17:00〜(L.O.20:00)
定休日:日曜、祝日、不定休
席数:カウンター8席、個室2(10席)


3.アーティスティックな焼き鳥で、秀逸なマリアージュに酔う愉悦
『いろ鳥』


名店『鳥よし』の遺伝子を継ぎながら、独自の焼きを追求する店主が外苑西通りの裏手で営む『いろ鳥』。

洗練された空間で同店が打ち出す次なる一手は、敏腕ソムリエとのタッグによる極上のマリアージュだ。



外苑前駅から徒歩4分。行灯を目印に入店すれば、佐官職人による壁画などが飾られた、青山らしいセンスを感じるカウンターが出現。

この店こそ、電熱と炭火によるハイブリッドな焼き鳥で名を馳せる『いろ鳥』だ。


旧知のふたりが阿吽の呼吸で提案する、完璧なマリアージュ体験に酔いしれたい


そんな同店の最新トピックが、白金の人気フレンチ『ラ・クレリエール』出身のソムリエ・根本卓也さんが加わり、多才なワインの提案を開始。



まずは店主・張ヶ谷栄司さんのスペシャリテ「上皮」で、その具体例を見ていく。



芳ばしい香りとは裏腹に、口中でとろける美味に意表をつかれるこちらには、ブルゴーニュの赤。



「香りが華やかで上品な赤と希少部位の上皮は、どちらも繊細な味わいで相性抜群」と根本さんが説明する。

ワインは仏産を中心に根本さんの目利きで100種類以上をストック。



「つくね」×「シャサーニュ モンラッシェ プルミエ クリュ レ マシュレル」。

一見、普通に見える「つくね」は、中にブルーチーズのロックフォールを混ぜ込んだ創作。高原コーチンの胸肉やもも肉の他、さまざまな部位を合わせている。ふっくら、ジューシーな口当たりは電熱での焼きがひと役買っている。

ロックフォール独特の熟成香がほのかに後を引くこの串には、フルーティなアロマとミネラル感じる白ワインを。グラス 3,850円。



「松茸の手羽巻き」×「シャンボール ミュジニー」。

秋の味覚の代表選手である松茸をぎっしりと、贅沢に巻き込んで焼き上げた手羽。旬の食材をさりげなく組み込み、季節感をコースにうまく取り入れている。

和食店の一品としてもおかしくない料理性の高い焼き鳥には、上品で繊細な赤ワインを。グラス 3,850円。エレガントでいて透明感のある味わい、華やかな香りが森を感じさせる松茸の風味によく合う。



現在は、マリアージュの提案のみだが、今後はペアリングコースも展開予定だ。

個性あふれる串と自由自在な銘醸ワインの融合で、デートの鉄板店としての地位を駆け上がる。


佐官職人と和紙デザイナーの傑作が、仄暗くモダンな店内で異彩を放つ


漆喰などが織り混ぜられた立体的なグリーンの壁画は、日本を代表する左官職人・久住有生さんによるもの。



和紙デザイナー・堀木エリ子さんが手掛けるライトオブジェシリーズの作品も飾られる。


■店舗概要
店名:いろ鳥
住所:港区南青山3-2-6 セントラル 第5青山 1F1A
TEL:03-6447-1027
営業時間:17:30〜(L.O.21:30)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター12席


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