今週のテーマは「男からのLINEの返信が遅いけど「忙しい」「体調が悪い」と連絡が来た。これって信じていい?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:男からのLINEの返信が遅い時「仕事が忙しい」と言われたら、どこまで信じていい?



星羅と二度目のデートを終えた後、僕はどう連絡をすべきか悩んでいた。

― Seira:想くん、おはよう!今日も仕事頑張ろうね

このLINEに対して、どう返すのが正解なのだろうか。

一旦スマホを裏返し、僕は仕事をし始める。ただ仕事が終わっても、しばらく星羅に返信をすることはなかった。

でもその後も何度か連絡が来たので、僕はお得意のこの言葉を使う。

「ごめん!忙しかった!」「ちょっと体調崩してて」

男がこのLINEが送るとき、本音はただ一つ…。


A1:デートに現金ゼロで挑んだ姿勢


星羅とは、マッチングアプリを通じて出会った。可愛いなと思い、早速マッチ。まずはお茶の約束をし、僕たちはカフェで落ち合うことにした。

「想くんは、どういう女性がタイプですか?」
「僕は自分をしっかり持っている人が好きです。星羅さんは?」
「私は優しくて誠実な人、ですかね」

僕より1歳年上だという星羅。可愛げがあって綺麗だったので、次は「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」に入る店で、ちゃんとしたディナーをすることになった。



食事が始まってしばらくすると、星羅が気まずそうに僕の顔を覗き込む。

「星羅さん、てやめない?1歳しか年も変わらないし…」
「そうだよね、ごめん。じゃあ遠慮なく」
「星羅ちゃんのお仕事は、土日休み?」
「うん、そうだよ。想くんは?」
「僕も基本は土日休み。でもイレギュラーなことが多くて、土日に仕事が入ることも多いかな」

仕事の話になり、星羅は、現在渋谷にあるIT関連の会社で働いていることを知る。お互いの家のことなども話したのだが、ひとつ、気になることがあった。

「星羅ちゃん麻布十番に住んでるんだ!でも会社へのアクセス、ちょっと悪くない?」

麻布十番から渋谷は、微妙にアクセスが悪い。しかし星羅は何も気にしていないようだ。

「そうなんだよね…。でも前はオフィスが六本木だったから、通いやすかったんだよ。ただ今は、面倒な時は結局タクシーになるから引っ越したくて」
「それは厳しいね」
「毎日タクシーとか、重役出勤みたいだよね」
「はは、たしかに」

― タクシー出勤してるの!?この子、稼いでいるんだな…。

『虎ノ門 もう利』の「つきだし」を食べながら、この時は、純粋にそう思っていた。



食事を終え、お会計を待っているとき星羅が可愛く問いかけてきた。

「想くん、今日すごく楽しかった!またご飯行けたりする…?」
「もちろんだよ。僕も楽しかった」

僕も楽しかったし、次も会いたいと思っていた。だから一軒目は僕が支払おうと思ったし、ここの会計に関しては何も気にはならなかった。

「大丈夫だよ、ここは僕が払うから」
「本当に?ありがとう。じゃあ…二軒目は私が払うね」

ただ二軒目へ移動し、お会計となった時、ちょっと笑えることが起こった。

「さすがに少し出すよ」
「そう?じゃあ…3千円だけもらおうかな」

一軒目と二軒目を合わせると、僕の想像以上の金額になっていたので、申し訳ないけれど少しだけもらうことにした。

しかし財布を取り出した星羅は、ヘラッと笑い始めた。

「ごめん…現金忘れちゃって…後でスマホ決済系のアプリで支払っていい?なんのアカウント持ってる?」
「現金、入ってないことあるよね」

― この子、デートに現金ゼロで来たんだ…最初から奢ってもらう気満々だったのかな…。

でも本人は、「後でネット決済で送る」と言っている。ただ純粋に、忘れただけかもしれない。

そう思ったので、僕は気にせず2回目のデートへ行くことにした。


A2:お金にルーズで、付き合うのはナシと思い面倒になった


二度目のデートは、広尾にあるイタリアンにした。しかし、前回から薄々気がついていたことが顕著になる。

「星羅ちゃんって、何のお酒が好きなの?」
「私はワインかシャンパンが好きだよ」
「じゃあ今日の店、正解だった?」
「うん!ありがとう」

嬉しそうにしてくれている星羅。それを見て僕も満足していたのだけれど、段々と星羅の本音が漏れてくる。

「こういうお店に連れてきてくれる男性って素敵だよね」
「そうなんだ。良かった」

― こういう高級店と、高い酒が好きなんだろうな…。

まだ2回しか会っていないけれど、星羅の性格は容易に推測できた。

そして食事を終え、「二軒目へ移動しよう」となった時。星羅のほうから、店を提案してきてくれた。



「二軒目、どうする?」
「近くに、前に行ったお店があって。そこ行かない?雰囲気も良いし。“紹介制”って言っていたけど、たぶん入れるはず…」
「本当に?なんていう店?」
「ここなんだけど…」

星羅が提示してくれたのは紹介制らしく、しかもインスタのDMでしか予約を取っていないという。

テキパキとDMをし、手配してくれた星羅。その行動の早さに驚いたが、実際に店へ着いたら、さらに驚いてしまった。

「星羅ちゃん、さすがだね。こんな店を知っているなんて」
「たまたまだよ。私もこの前連れてきてもらっただけだから」

― その時は、誰に連れてきてもらったんだろう…?

明らかに業界人っぽい人たちが集う店で、僕だけ若干浮いているような気がしてきた。でも気後れしていても仕方ない。

実際に酒のラインナップも素晴らしく、気がつけば僕たち二人でシャンパンのボトルを1本空けていた。



ここまでは良かった。しかしお会計となった時、デジャブが訪れる。

「あ…ごめん、そういえば前回のお金、まだ支払ってなかったね」
「あぁ、たしかに」

前回「後で送る」と言ったきり、星羅からは何も送られてきていない。催促するのもダサいので何も言っていなかったけれど、今日払ってくれるのかと少し期待していた。

でも、星羅にその気はさらさらないようだ。

しかも、今日も「お金を持っていない」と言い始めた。

「でもごめん、今日もキャッシュ持ってなくて。また次回でもいい?」
「うん、いいよ」

― この子、払う気ゼロだな…。

前回と今回、2回連続はさすがに確信犯だ。でも怒るわけにも行かないし、僕は苦笑いしながらカードで高い請求額を支払った。

もし星羅に本当に支払う気があるなら、「自分のカードで払うよ」とか言うはずだ。

きっと、この子はたくさん周りの男たちが甘やかしてきてくれたのだろう。デートは奢られて当たり前、高いお店も当たり前。

通勤はタクシーで、お金はどんぶり勘定…というよりも、お金にルーズなだけだ。

「次いつにする?」
「ちょっと今月忙しくて…後で、予定が見えたら連絡してもいい?」

だから次の約束はせずに解散した。

そして予定を聞かれてても、曖昧にはぐらかし続けている。

忙しくても、本当に好きな女性には連絡をするし、次に会う約束をする。ちなみに、体調はすこぶる万全だ。


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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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これって付き合ってるの…?