男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:デートしても3回目がない34歳女。食事中、無意識に女が男を幻滅させているポイントとは



律と出会った時、私はどこか運命的なものを感じた。

「律くんの好きなタイプは?」

と聞いた時、彼の返答がまさに私だったから。

価値観も合うし、会っている時は本当に楽しい。会話も盛り上がる。しかも二度目のデートでは、スキンシップもあった。

でもこの食事へ行った後から、急に冷たくなった。

― ほぼ付き合う流れだったよね…?

もしかして、二度目のデートで不意に律が私の腰に手を回したときに、少しお肉がぷにっとしていたからだろうか。

実は最近会食続きで、3kgくらい増えてしまった。それにジムもサボりがちだ。

― でもそんなことで、急に冷めるもの?

ただ断じて、それでもスタイルが悪いわけでもないし、顔も色んな人から「可愛いね」とか「綺麗だね」など言われ続けてきた。

しかし32歳経営者のハイスペ男子と交際するためには、外見に1mmのミスも許されず、完璧でないといけないのだろうか…。


Q1:初デートの段階で、男が少し気になっていたことは?


律と出会ったのは、友人の結婚式の二次会だった。初対面だったけれどもウマが合い、その場で連絡先を交換して、翌日食事に誘われた。

こうしてすぐに決まった初デートは、白金の北里通りと桜田通りを繋ぐ路地にある『atti』を予約してくれていた。



「うわぁ…素敵なお店!」

上品でハイセンスなカウンター席。お店に入った途端に、思わず声が漏れてしまう。

「ここ来たことあった?」
「ううん、初めて来た♡ここのシェフって『Äta』とか『Restaurant Ode』にいらっしゃったんだよね?そこは行ったことあるけど」
「奈緒ちゃん、詳しいね」
「素敵なレストラン、好きなんだよね」

気になっていたお店ではあったけれど、実際に来られてテンションが上がる。

それに雰囲気だけではなく料理もお酒も美味しくて、律のお店選びのセンスがよくわかった。

「律くんって、ご飯好きな人?」
「大好き。彼女ができたら、美味しい店巡りとかしたいんだよね」
「それ、最高だね…!」

グルメだし、優しくて一緒にいると楽しい。しかも話も合う。

「これ、美味しいね」
「本当だね」

紅芯大根のジュレ、カブ、大根の葉のネパール風炒めが添えられた神経締めした函館産の「サクラマス」などを食べながら、思わずお互い顔を見合わせて笑顔になる。



そして食事も中盤になる頃、私は律のことをもう少し詳しく探ろうと思った。

「律くんのお仕事って…?」

ざっくりと“経営者”ということだけは聞いていた。しかし経営者と言ってもピンキリだ。大人数の部下がいるような大きな会社なのか、ひとり企業なのか…。

「僕はヘルスケア系の会社を経営しているよ」
「そうなんだ!すごいね」

どうやら仕事はきちんとしていそうだし、稼いでもいそうだ。今年で33歳になる律と、29歳になる私。年齢的なバランスもいいし、結婚願望もありそうに見える。

「ありがとう。奈緒ちゃんは?何のお仕事をしているんだっけ?」
「私は自分で美容系の仕事をしているよ」
「美容系?」
「美容のコンサルみたいな?」
「へ〜。自分で会社やってるの?」
「ううん。個人的にって感じかな」
「そうなんだ…だから肌が綺麗なんだね」

その褒め言葉は嬉しい。

― もう少し関係性を詰めたいな…。

そう思ったので、私は律にグイッと迫ることにした。

「律くんの好きなタイプは?」
「美味しい物を食べたり、新しい景色を見た時に一緒に感動できる人がいいな。あとはお酒も飲める子のほうが好き!」

完全に、私のことだ。だから思わず声に出してしまった。

「私じゃん!」
「たしかに、奈緒ちゃんかも。奈緒ちゃんも食べるの好きなの?」
「うん大好き。律くんは、いつもどの辺りが多いの?」
「僕は西麻布が多いかな…」
「西麻布だったら、美味しいお店もたくさんあるし、知り合いがやっているお店もたくさんあるから、今度一緒に行かない?」
「いいね!」

するすると次のデートまで決まり、この時私は「次のデートで、進みそうだな」と思っていた。


Q2:二度目のデートで、男が冷めた理由は?


翌々週にやってきた二度目のデート。律は西麻布にある和食屋さんを予約してくれていた。

「奈緒ちゃんに食べてほしいメニューがあって!」

嬉しそうに、このお店の名物の説明を始めた律。

「〆の土鍋ご飯なんだけど、これが最高で…」



そう話してくれるのは嬉しいけれど、実は何回か、このお店に来たことがある。それを言うべきかどうか悩んでいると、律のほうから聞いてきてくれた。

「もしかして、奈緒ちゃんこの店来たことあった?」

脳内で、色々なことを考える。本当は、「初めて来た♡」と言うのが良いに決まっている。

でも店員さんも顔見知りだし、下手な嘘はつかないほうがいい…。そう思ったので、私は素直に言うことにした。

「ごめん、実は来たことがあって…。元カレの行きつけで、店員さんも知ってるんだよね」
「そうなんだ…!逆にごめん、新しい行ったことない店じゃなくて」
「ううん。久しぶりに来たかったから嬉しい」

これも、嘘ではない。本当に来たかったし、自腹で来るには高すぎる。

「やっぱり奈緒ちゃんって、グルメなんだね」
「どうだろう。周りの人たちよりは…って感じかな?」

実際に食べることも飲むことも好きだし、何より周りが連れていってくれることが多いので、必然的に舌が肥えていく。

でも律のタイプは「食べることが好きな人」なので、この会話で下手に出るよりは、自分の好きなお店などをちゃんと話したほうが好印象に繋がるだろう。



案の定、私の読みは正しかったようで、その後もグルメ談義で盛り上がる。

「最近、奈緒ちゃんが行って美味しかった店とかある?」
「たくさんあって選べないな〜。この前虎ノ門にできた新しいお鮨屋さんに行ったんだけど、もう新規予約受付停止らしくて。でもすごく美味しかったからお勧め」
「でも予約取れないんでしょ?どうにかして予約取りたいな〜」
「私は枠を持ってないから何とも言えないんだけど…」

こんな会話を繰り返しているうちにあっという間に1軒目の食事が終わってしまった。

「次、どうする?どこか行く?」

22時の西麻布。解散するには早すぎる。

「知り合いのお店がこの近くにあるんだけど、そこ行く?律くんが良ければ、だけど」
「どこどこ?行ってみたい」
「普段は会員制だから、行けないんだけど…。私、知り合いだから特別に入れるんだ」
「さすがだね」

こうして、私の知り合いのお店へ二人で移動する。

ちなみにこのお店は奥に個室のソファ席があり、意外にいちゃつける。もちろん、私も律も酔っ払っていたせいか、必然的に距離が近くなる。

そして気がつけば、最後のほうは律が私の腰に手を回して飲むような形になっていた。

でも、触られた瞬間。思わず、腰を反らしてしまった。

なぜなら最近ちょっと太ってしまったのと、腰回りにそこまで自信がないから。

すると何かを察したのか、それとも触った時の感触がぷにっとしていたからなのか…。律はそこから、少しだけよそよそしくなった気もする。

結局、このデートを終えてから律の態度は変わってしまった。

― そんなにダメな体型ではないはずなんだけど…?

律は一体、どのレベルの女性を求めているのだろうか…。


▶前回:デートしても3回目がない34歳女。食事中、無意識に女が男を幻滅させているポイントとは

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男が実際に見ていたのは…!?