TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。11月9日(月)放送では、弁護士の横山智実さんが“性的虐待の現実”について述べました。

◆年々増加する子どもへの性的虐待

厚生労働省が児童相談所に通告があった心理的・身体的虐待などのうち、後に性的虐待も明らかになった事例の実態調査を開始。性的虐待への児童相談所の対応に焦点を絞った国の調査は、今回が初。子どもの性被害のなかでも、特に潜在化しやすい家庭での被害を早期に把握することで、迅速な対応に繋げる狙いがあります。

子どもへの性的虐待の検挙件数は年々増加し、2019年は246件。その詳細を見てみると「強制性交等」は2018年の83件から2019年は108件に。一方で「児童福祉法違反」は23件から6件に減少。

なぜこのように変化したかというと法律が変わったからで、「強姦罪が強制性交等という罪名に変わり、対処行為が広がった結果、(強制性交等の)件数が増えた」と横山さん。

さらにもう1つ、強制性交等に「監護者性交罪」という新しい罪が数年前にできたことも要因だそう。本来、13歳未満に暴行・脅迫がなく性交をした場合は強制性交等罪が成立し、13歳以上は暴行・脅迫があれば強制性交等罪。そして、暴行・脅迫がない場合は児童福祉法違反が適用されていましたが、法律が変わり、18歳未満で加害者が監護者であれば暴行・脅迫なしでも監護者性交罪に。いわば児童福祉法違反に適用されていたものが強制性交等になった形です。

◆虐待発覚のきっかけは子どもの小さな声

次に加害者の検挙人員数を見てみると、「意外にも“実父”が多いことに衝撃を受けた」と横山さん。さらには、「『その他(男)』って何者だろう?」と疑問に思い裁判例を調べてみると、加害男性のなかには母親のアルバイト先の経営者だったケースもあったそうで、「内縁男性と区別しているので、おそらく一緒に暮らしていない母親(シングルマザー)の彼氏も含まれているのだと思う」と推察。

また、神奈川県の児童相談所の資料によると、性的虐待として受理された子どもの3分の2が小・中学生で、その相談経路は学校が29%で最多。そして、小学生においては66%が子どもの小さな告白で発覚しており、「家でつらいことがあったとか、そういった小さな言葉から(虐待が)発覚していくので、周りの人たちは子どもの小さな言葉に耳を傾けてほしい」と横山さんは訴えます。

なお、11月29日(日)は東京スカイツリーが子どもの虐待を禁止するというメッセージのオレンジリボン色のカラーになるそうで、「ぜひみなさんご覧になって、児童虐待の現実について再度考え直していただければ」と横山さん。

MCの堀潤は、「小さな声に耳を傾ける機会が、学校以外にもあれば……」と惜しみつつ、「今年はコロナもあって、さらに心配」と危惧。実際、虐待数は例年に比べ増えているそうで、横山さんは「これから冬を迎えるにあたり、さらに数が大きくなるのかなと思うと、子どもたちには自分を守る手段として人に言う。自分で堪え切らないということをわかってほしい」と望みます。

キャスターの宮瀬茉祐子は、いじめ防止策としてAIの活用が進められているように、「虐待に関してもあぶり出しができるような何か補助的なものを開発するなど、早期発見に繋がるようになれば」と期待。

一方、ヘッドライン社長で早稲田大学研究院客員教授の一木広治さんは大人・親側に言及。現在はコロナや働き方改革で、自宅で働くケースも増えているだけに、「アンガーマネージメントじゃないけど、大人側にも啓蒙活動が必要」と主張します。

最後に横山さんは、ITの導入や大人側の改善はもちろんのこと、「学校で子ども同士が会話し、家でどう過ごしているのかなどの話が盛んになっていけばいいのかなと思う」と話していました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross