TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。8月18日(水)放送の「フラトピ!」では、“コロナ新薬の治験”についてキャスターの堀潤が取材しました。

◆コロナ新薬の治験参加者にインタビュー

治験とは新しい薬を開発する際、動物での実験を経て、人への有効性や安全性を検証する臨床試験のことで、この治験でデータが得られないと新薬は使うことができません。現在、新型コロナウイルスに有効な新薬の開発が急がれていますが、その治験はどうなっているのか。実際にコロナ新薬の治験に参加されている京都精華大学マンガ学部教授でアニメーション作家の遊佐かずしげさんに、堀がリモートでインタビュー取材しました。

まずはコロナ感染が疑われたときの状況を聞いてみると、「8月2日に福岡から東京に帰る朝に体調が悪くなり、東京に着いてから一気に39度近くまで熱が上がった」と遊佐さん。

そして、発熱した夜にパルスオキシメーターで血中の酸素飽和度を測定したところ「91」という低い数値が。「単なる発熱はインフルエンザなどで経験があったが、今回は息苦しさを感じた。それと急激に熱が上がったので、これはまずいと思った」と当時を振り返ります。

その後、異変を感じた遊佐さんは、3日にPCR検査を受け、5日の朝10時に電話で陽性が発覚。

このとき、熱は解熱剤で抑えていたものの食欲はなく、むせると咳が止まらない厳しい状態だったとか。ただ、遊佐さんは出張が多いこともありパルスオキシメーターを常に持ち歩き頻繁に計測。低い数値が出てからも早めの対応が功を奏しました。

◆体験者は語る…日本の治験は相当レベルが高い

陽性が判明した日の午後、かかりつけの病院から連絡があり、新薬の治験を紹介されたという遊佐さん。それはあくまで薬の試行錯誤が目的で、医者からは投与される成分などの詳しい内容は知らされないと言います。

コロナ治療に関して、遊佐さんは自宅療養を選択したため、治験投与のたびに自宅と病院を専用車両で往復。「事実上は7ヵ月後に治験が終了するようなことは聞いている」と遊佐さんは言うも、毎週病院に行く必要はなく、「病院で細かく検査するのもあと数回だと思う」と語ります。

さらに遊佐さんは、「日本では治験の理解が相当遅れている。社会貢献を含め、この治療制度が今後広がっていけばと肌で感じながら受けている」と思いを語る場面も。

治験に協力した理由や、現在の心境については「基本的に日本の治験は相当レベルが高く、何かあれば全面的にフォローしてくれ、私自身フォローされている。今回の経験は治験ということを認識したと同時に、(コロナに関して)みんなまさか自分がと苦しんだわけで、そうしたリアリティーがメディアを通してうまく伝わることを願いたい」とコロナ禍を憂います。

まだまだ治療が続き、後遺症もあるなかでインタビューに答えてくれた遊佐さんですが、治験の最中に意識が混濁することもあったとか。しかし、本人が話していた通り、治験のチームが手厚くフォローしてくれたおかげで事なきを得ました。治験と聞くと、不安を感じてしまう人も少なくないですが、日本は諸外国に比べ高度な医療チームが支えることが条件になっているため、「安心してください」という説明があったそうです。

とはいえ、日本ではまだまだ多くの課題が。1996年に薬事法が改正され、治験のハードルが上がるとともに国内での治験数が減少。日本企業は治験がやりやすい海外で実施するようになりました。一方で、海外で承認された薬も国内のデータが必要で、日本で承認されるまでに“ドラッグ・ラグ”という時差が生まれる状況があります。

また、治験自体も「体制」や「人員」、「期間」などさまざまな問題があるなか、特に人員は承認審査員と担当医、治験対象者などの確保が大きな課題で、治験に参加してくれる人を確保しない限り、新薬の承認が遅れてしまいます。

遊佐さんの話を聞いた岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんは、「かかりつけ医というのが大きなキーワード」と指摘。「治験に限らずコロナに関して、遊佐さんはかかりつけ医がいたのでよかった。一方で20代はあまりかかりつけ医がいない。常に相談できる存在を持っておくことが、コロナ禍では大事だと改めて思った」と言います。

最後に堀は、国立国際医療研究センターの「臨床研究センター・治験管理室」のWebサイトにて治験についての解説と参加募集のページがあることを紹介。そこでは治験への参加を事前に登録することができます。堀は「ぜひ一度ご覧になってほしい。治験があることを知っていただければ」と訴えていました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag