TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。11月30日(水)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、“炭素税”について取り上げました。

◆二酸化炭素を排出する企業に負担導入へ

脱炭素実現に向けた政府の会議で、新たな国債を発行し脱炭素の投資を大幅に拡充することなどを盛り込んだ、今後10年の工程表の素案が提示されました。早ければ来年度の発行開始を目指す方針です。

また、素案には、企業の二酸化炭素排出に対して負担を求める、カーボンプライシングによる収入を国債償還のための財源とする方針も明記されています。

◆政府が示した方針に、Z世代の反応は?

キャスターの堀潤は先日、WFP(国連世界食糧計画)のアフリカ南部地域の責任者にインタビューする機会があり、そこでのやり取りについて言及。「気候変動によって奪われる食糧・暮らしは、我々が知っている以上に深刻で、5,000万人以上の人たちが急激な飢餓の状況にあえいでいる」と現状を伝え、「私たち先進国の暮らしが巡り巡ってそうした地域に負荷を与えていることを認識すべきだと改めて思った」と語ります。

素案にもある二酸化炭素を排出する企業への「炭素税」に言及したのは、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん。炭素税は環境省で長年検討されていたこととあって「ようやく議論に乗って良かった」と安堵しつつも、その内容について少し引っかかりがある様子。

「炭素税はもうすでに導入されていて日本では1トン当たり289円。それが今後は1,000円ぐらいになるという規模感だが、ヨーロッパでは1トンあたり1万円を超えている国もある」と指摘し、「(炭素税を)導入することはいいことだと思うが、額がこれでいいのかについては、もう少し議論が必要ではないか。ないよりはいいが、額が全然他の国と合っていない」と主張します。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、企業側に負担を求めるのも致し方なしとしながら、日本における脱炭素の流れに対し、ビジネス的観点から意見。というのも、脱炭素領域は世界的に見ればビッグビジネスとなっており、例えば、アメリカ・カリフォルニアなどは電気自動車(EV)のなかでも完璧なゼロエミッション車、二酸化炭素排出量がゼロの電気自動車しか認めない法案を提出し、それにより電気自動車関連のスタートアップ、さらにはそのスタートアップに投資するファンドが集まってきたと説明。

こうした「法律主導でビジネスができていく世界」がある一方で、「果たして(日本の)政府はそこまで考えたのか。企業経営者としては問いたい」と所感を述べます。国が脱炭素に向かうことは重要ながら「企業からお金を取るような政策を出すなら、まずはビジネスができるようにすべき。ビッグビジネスというのは、法律の規制を主導にできるものもある」と訴えます。

これに対し、能條さんは炭素税もビジネスも「両軸の話」であり、「GX(グリーントランスフォーメーション)が進み、炭素税が導入されることで(ビジネスが)加速される面は絶対にあると思うので、どちらかという話ではない」と自身の見解を示します。

慶應ビジネススクール2年(MBA)の池田颯さんが危惧していたのは、脱炭素に関する世界的なルールメイクの場面で、日本が主要メンバーにいないこと。「そこにしっかりと入っていけるかというのもマクロの視点では大事」と主張します。

これに渋谷さんは頷きつつ「そのルールメイクによって、日本の自動車産業は締め出されていると言っても過言ではない」と現状を案じます。過去には自動車産業で有利にあった日本ですが、EVシフトで遅れをとり、現在はある意味危機的状況にあると指摘した上で、改めて渋谷さんは「産業を作ることを前提に、(炭素税は)その先における企業からお金を取れる仕組みなのか、ということを問いたい」と論じました。

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