TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。7月19日(月)放送の「フラトピ!」では、“大学入試改革”を深掘りしました。

◆大学入学共通テストの目玉企画が導入困難に

今年1月から「センター試験」が廃止され、新たに「大学入学共通テスト」がスタート。このテストでは思考力・判断力・表現力を問う問題が重視されています。しかし、大学入試の在り方を検討した文部科学省の有識者会議は、2025年1月以降の大学共通テストで目玉とされていた、英語民間検定試験と記述式問題の導入は実現困難とする提言を、萩生田文部科学大臣に手渡しました。

本来であれば今年の共通テストで英語の民間試験や記述式を採用する予定でしたが、「公平性が確保されない」など批判が強まり、採用は一旦見送りに。改めて導入の是非を検討した今回の有識者会議でも実現困難とし、導入を断念する見通しになっています。

「英語民間検定試験」と「記述式問題」とは、前者は「読む」、「聞く」、「話す」、「書く」の4技能を評価することを目的とし、英検など民間6団体の試験を受験年度に最大2回受けることができ、その成績を大学に提供するというもの。後者は文章に書くことで「論理的な思考力」、「表現力」を発揮するという目的で、勘での解答やマークミスを減らし、正確な学力を反映するというものですが、そこには大きな課題が。

英語民間検定試験は民間試験の会場が都市部に集中し、さらには受験料が高額であるなど、地域の問題と金銭面の問題があります。そして、記述式問題も採点の複雑化と採点ミスが起こる可能性とともに、自己採点の不一致が挙げられていました。

◆拙速だった文科省、大学入学共通テストの課題

この問題に対し、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、大学の入試改革自体は「全く問題ない。むしろやるべき」と推奨しつつ、「目的と手法の問題を混同してはいけない」と注意を促します。

そもそも大学入試改革は2013年、第二次安倍政権下で「教育再生実行会議」が設置され、教育改革に着手。「これからの時代に適合できる人材を育てる」を目的とし、「今の知識を詰め込むだけの教育ではいけないという提言が出た」と補足します。

さらに、「これ自体は素晴らしい。価値観やグローバル化は、今ものすごいスピードで進んでいる。そんなときに知識を詰め込んでいるだけでは絶対にいけない。アウトプットもできる人材を育てなければ」と訴え、問題は文部科学省が急ぎ過ぎ、「こういった課題は、ある程度現場の問題であり、そこまで目がいかなかったのが課題」と指摘。

それこそ金銭面の問題があるならば補助を拡充させるなど「ちゃんとルールを定める。ルールメイキングすればいい。それが先決」と大空さん。そして、今回は2025年以降の実現が見送られましたが、「2025年は結構先、その間に準備ができないものか」と疑問を呈し、「今の日本の教育は問題だらけで、ものすごいスピードで変わっている今後の社会に適合できない」と危惧します。

一方、生理への理解を広げる団体「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんは、「なぜこのタイミングなのか」とコメント。さらには費用面、筆記試験の大変さなどは予測し得ることとあって「誰もが考えればわかることだったと思う」と憤るも、「課題を認識し、時間はまだあるので、これからでも間に合うのではないか」と期待を込めます。

◆今の大学教育の課題…大切なのは興味、考える力

では、今の日本の大学教育の課題とは何か。大空さんに聞いてみると、改めて「知識の詰め込み」を挙げ、「今はSNSの発達もあり、情報量が過多の時代。そのなかで自分が必要なものだけを抜き取り、それを活かしていく、そのアウトプット、やり方も含めて学校ではなかなか教わらないのが根本的な問題」と主張します。

2018年の生徒の学習到達度調査(79ヵ国・地域)を見ると、「読解力」、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」の3つの項目で上位が「北京・上海・江蘇・蘇江」、「シンガポール」、「マカオ」となっており、日本は「読解力」が前回の2位から15位に。この結果に、谷口さんも大空さんの意見を支持し、「批判的に情報を取り入れ、適切な方法でそれをアウトプットに移すスキルがもう少し学校現場であるといい」と希望します。

そして、最後にキャスターの堀潤から「どうすれば大空さんや谷口さんのような若者が育つのか」と問われると、大空さんは「自分でなんとかしたいと興味を持つということ」と回答。谷口さんは「自分のなかにあるモヤモヤを無視せず、なぜモヤモヤするのか考えることで、もう少し考える力がつくのでは」と話していました。

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