TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「フラトピ!」のコーナーでは、“進化する車いす”をキャスターの田中陽南が取材しました。

◆既存のイメージを払拭する最新の電動車いすとは?

今回、田中が向かったのは「WHILL株式会社」。足が不自由な方のなかには車いすに対し「オシャレなものがない」、「小回りが利かない」、「外に出かけたくならない」といった意見を持った人がいますが、WHILL株式会社ではそのイメージを払拭し、全く新しいコンセプトの電動車いすを開発しています。

最新モデル「WHILL Model F」を一目見た田中は「黒を基調としていてかなりスタイリッシュですね」とそのビジュアルに目を輝かせ、「車いすというと、後輪の部分が大きいイメージがあったんですがコンパクトですね」と驚きます。

本体を折り畳むことが可能で、タクシーや新幹線、飛行機で持ち運ぶ際にも便利です。

早速、田中が試乗することに。車いすに乗った経験がなく不安そうな田中に、WHILL株式会社の広報・新免那月さんは「免許不要で高齢の方から操作に慣れていない方も簡単に操作いただけます」とアドバイス。使い方は簡単で、電源ボタンを押し、進みたい方向にレバーを倒すだけ。

そして、いざ試乗してみると「かなりスムーズですね。感覚的に操作できるというのがわかります。斜めの移動も横も結構すぐ動くので操作簡単です」と操作の手軽さに驚く田中。「これは初めてでも乗れますね!」と太鼓判を押します。

電動車いす「WHILL」のコンセプトは“すべての人の移動を楽しくスマートにする”。障害の有無に関わらず、乗ること自体が楽しくなる車いすの新しい形を目指しています。

このコンセプトが生まれた背景は、車いすユーザーからの「100m先のコンビニに行くのを諦める」という声がきっかけでした。

街中には段差や悪路など車いすで移動するには難しい場所が数多く存在し、他人から“車いすに乗っている人”として見られているという思いなど、この方は物理的・心理的なストレスによって外出するのが億劫に。

そこでWHILL株式会社では、デザインとテクノロジーで誰もが乗りたくなるような車いすを作ろうと開発を開始。その後、商品開発を重ね、現在のモデルに至ったそうです。

◆“誰でも乗れる”新時代の電動車いすの新たな利用法

「WHILL」を実際に利用している坂井田真実子さんに話を聞いてみることに。歌手活動をしている坂井田さんは、6年前に患った病気の影響で体力が減少。歩行はできるものの長距離・長時間の歩行が困難に。移動に体力を使うと仕事に影響が出てしまうため、日常生活では車いすが必要となり、そこで出会ったのが「WHILL」でした。

坂井田さんは、「WHILL」について「靴を考えていただきたいんですけど、やはり自分の好みの靴がある。車いすも私にとっては同じ。外に出るときにかっこよかったり、オシャレだったり、スタイリッシュなものを選びたい」と話します。

現在、坂井田さんは、電車やタクシー移動の際には持ち運びに便利な「Model F」を使い、街乗り用として「Model C2」と2台を使い分けており、外出時の周りの人からの反応も、他社の車いすのときとは全く違うとか。

「(普通の)車いすで外に出ると『あっ、車いす』という感想で止まる。でも、WHILLで外に出ると『何あれ、かっこいい』と言われるんです。出かけるのが楽しくなるし、一歩外に出ると喜びに変わりますね」とその魅力を語ります。

新免さんによると、坂井田さん同様、外出することがポジティブになったという人は多いそうで、WHILL株式会社では「誰でも乗れる」というコンセプトから空港などでの一般の方の利用を開始。羽田空港では自動運転機能を搭載したモデルを導入しており、WHILLに乗るだけで、自動で目的地のゲートまで連れていってくれる仕様になっています。

こうしたニーズの広がりに、新免さんは「今まで徒歩しか頑張れなかったところを補えるというのはWHILLの強み」と胸を張ります。

◆高齢化社会に向けた次世代モビリティとしての活用も

最新の車いす事情を垣間見たキャスターの堀潤は「いいですね!」と興味を示し、「車いすという名前そのもの、概念も新しくアップデートしたくなりますね」とコメント。

今回取材をした田中も「本当に次世代モビリティと呼べるものになっていて、操作も簡単で乗り心地もとてもよかったです」と感想を口にします。また、重さは若干あるものの、女性1人でも十分に持ち上げられるぐらいで「少し重めのベビーカーぐらいの重さでした」と実感を語りました。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、「多くの方がこれを使うようになれば、車いすへの理解も広まる」と期待を寄せます。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは「きっかけが“100m先のコンビニに行けない”というところから、今はいろいろな人が使い、羽田空港でも導入されるなど、大きく展開しているのはビジネスとしても素晴らしい」と絶賛します。

ちなみに堀は、羽田空港で「WHILL」を既に体験済みで「乗って、行き先を押すと勝手に連れて行ってくれて、そこで降りるんですけど、戻す必要もなく、自分で戻っていく。だから、羽田空港に行くと無人のWHILLがあちこちで動いている」とそのときのことを振り返ります。

従来の車いすの代わりとして開発されたものではなく、障害の有無に関わらず、全ての人が使える「近距離モビリティ」を目指しているという「WHILL」。

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは「今後、高齢化していくなかで、こうしたものが当たり前の選択肢としてあることによって、行動範囲を変えずに暮らすという選択もできるようになるのかな」と期待を膨らませていました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag