TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「モニフラZ議会」では、学校の“制服のあり方”についてZ世代の論客が議論しました。

◆自治体で制服の統一化が加速…そもそも制服は必要なのか?

昨今、制服のデザインを、自治体で統一する動きが加速しています。

その理由のひとつは、制服の価格上昇。約7年間で5,000円も上がっており、統一することで安価に抑えようという考えです。もうひとつはジェンダーレス化。女子のスラックス制服を採用する学校も増加しており、自治体で統一することでいろいろな制服を揃えようという動きもあるようです。

そもそも制服は必要なのかについて、キャスターの田中陽南は「あったほうが楽かなと思う」と自身の見解を示します。

株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、その成り立ちと現状について言及。「制服ができた経緯には貧富の差があったと思うが、今はファストファッション、安くてもそれなりに良いものが手に入る時代になってきたので、そういう意味では制服の役割は薄れてきているのかもしれない」と話します。

一方、日本大学 文理学部 助教の大澤正彦さんは、中学時代は制服、そして高校時代は制服ではなかった実体験から「制服の必要性を感じたことがない。私服でいいんじゃないか」との意見が。

キャスターの堀潤は、制服のメリットとして、経済的な理由や一体感の確立、オン・オフの切り替えなどを挙げます。

臨床心理士のみたらし加奈さんは「洋服を選ぶ時間をなくす、勉強に集中できるようにするといった理由ならわからなくはないが、一体感に関しては、私は学校って所詮その地区の同じ歳が集められただけぐらいの認識で、それを強調しすぎるといじめなどの温床になりやすくなるのかも」と懸念します。

小幡さんは、自身が経営しているゲムトレで、子どもにゲームを教える講師の制服として黄色のパーカーを最近採用したことに触れ、その理由について「僕らはエンターテインメントの領域なので空気感やチーム感が大事だなと思った」と語ります。結果としては「やってよかった」と小幡さん。

そして、「ゲムトレの世界観が作れるというところで一体感というのは確かに良い効果がある面もある」とも。ただし、これはあくまでゲムトレはゲームが好きで集まったメンバーで構築されているからで「前提として学校はたまたまその地域で行かされている。そこに一体感というのは確かに違和感がある」と補足します。

◆制服のあるなし、大事なのはみんなで決めること

学生服メーカー「カンコー」によると、制服の起源は明治時代で、皇族や華族のための学校「学習院」が採用。その後各地に広がり、大正期に全国に拡大しました。文部科学省としては、あくまで推奨するだけで制服着用を義務付けすることはなく、その文化は自然と出来上がったそう。

また、街頭で制服の有無について聞いてみると「いらない。高いお金を払って3年間着て、その後着ることもないから」(30歳 男性)、「いろいろ私服を買うよりは楽」(65歳 女性)、「中学校・高校でしか着られないという“青春”もある。制服でも私服でもどちらでも良いスタンスを作ったほうが気持ちは楽」(19歳 女性)など、さまざまな意見が寄せられました。

では、実際に着用する学生と大人の意識はどうなのか。愛知県春日井市で中学生に制服があったほうが良いか聞いてみると「ないほうが良い」が約4割。教員や中学生の保護者に聞くと、「制服を支持する」が約8割でした。この結果に対し、教育社会学者で名古屋大学の内田講師は「制服は校則を象徴するもの。トラブルや規律の乱れを心配し、大人は制服廃止の消極的なのでは」としています。

そうしたなか、制服の自由化を検討している学校もあり、岐阜県の岐阜北高校では今年2月15日〜26日まで「制服について考える期間」を設け、コロナ禍で真冬でも換気があることから温かい服を着たり、毎日洗濯ができる服を着るなど、制服でも私服でもどちらを着てもいい期間としました。

すると、期間中の生徒の服装は「制服」、もしくは「制服+私服」の人が過半数を超える形に。さらに、その間に授業規律が低下したか教職員に聞いてみると、「そう思わない」、「どちらかといえばそう思わない」が約8割。この結果に内田講師は「毎日着るものなので、大多数が私服でも平凡な服装になる。制服で押さえ込むのではなく、子どもを信用し、選択肢を増やしては」と述べています。

みたらしさんも「選択できることが大事」と主張し、「学校のシステムを考えたり、なぜ制服があるのかなどを考えることで、大人になってからの選択肢の選びやすさが変わってくると思うし、学校は学びの場と考えると、(制服以外でも)授業規律が低下しなかったということは、生徒たちに選ばせるのが一番だと思う」と所感を述べます。

大澤さんもその意見に賛同し、「中学や高校の時に制服の是非をみんなで考える。それが一番重要」と主張します。

Z議会を代表し、小幡さんは「大人が決めたルールではなく、みんなで決める!」と提言。

制服の有無やデザインをみんなで決める方針を推奨しつつ、「なぜ制服を着ないといけないのか、その背景なども踏まえ、みんなで判断するのが重要。納得感が大事」と訴えます。

みたらしさんは「ゼロヒャクの議論になりがちだが、49%、67%ぐらいのことをみんなで決めていくことが大事であり、それこそが多様性だと思う」と主張。制服とジェンダーの関連性についてもスラックスを望めば導入する学校も増えてきており「自分が着たいものを着る。自分の体は自分のものといった自己決定権でいいと思う」との意見も。

大澤さんは、常々学生たちに「世界の形をちょっとだけ変える経験をしよう」と伝えているようで、それは多くの学生が世界は自分ひとりでは変わらないと諦念しているものの、そうではないから。「例えば、『スラックスが着たい』と言ったら導入されたとか、ほんの少し世界の形は変わっている。そういったことの積み重ねでアクティブになっていけるエネルギーが持てると思うので、目の前に疑問が浮かんだら行動してみるというのがいいと思う」と話していました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag