TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。9月19日(月・祝)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、“COCOAの機能停止”について深掘りしました。

◆普及率は約3割、接触確認アプリ「COCOA」は失敗だったのか?

9月13日、河野デジタル大臣はコロナ感染者の全数把握簡略化に伴い、新型コロナの接触確認アプリ「COCOA」のサービスを近く停止する方針を明らかにしました。

「COCOA」は約3.8億円かけて開発され、ダウンロード数は9月16日時点で約4,073万件。普及率は約3割となっていますが、当初の目標は6割でした。今後はアプリ内でアンケートを実施した後にサービスを終了する予定で、河野大臣は「何が悪かったか、どこか失敗したのか、良いところもあったのか総括しないといけない」と話しています。

これに対し、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは「(国は)民間の使い方がすごく下手だと思っている」、「行政はコストをかけてはいけないという概念からスタートし、いろいろコストカットしようとした結果、回り回って高くなってしまう」と手厳しい意見を展開。「約4億円もかけたアプリなのに、もったいない使い方をしている」と指摘します。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、COCOAには多くの問題があったなかで、特に大きなものとして「自分で陽性登録しなければいけなかったこと」を挙げ、「本来は保健所などから自動的に登録できるような仕組みを作るべきだった。アプリだけで完結したことでそれができなくなった」と悔やみます。

そして、もうひとつが「運用と開発を分けたこと」。大空さんによると、もともとCOCOAは有志のボランティアが作ったものを厚労省が採用。「それを『中抜きだ』という人もいるが、民間が作ったものを『国がやります』と保護したことは良かった」とその過程は評価しつつ、その後に開発と運用を分けてしまったことで機能しなくなった点があるとの指摘も。

そして、東京2020オリンピックの観客用アプリの開発費を引き合いに「それと比べると安い。課題点が見えてきたという意味では、勉強になったと思う」と大空さん。

◆日本のデジタル化の大きな壁となるはプライバシーの問題

COCOAに関するこれまでの経緯を振り返ってみると、2020年6月に運用がスタートするも、その翌月には陽性者が登録できない事案を確認。その後、2021年2月には約4ヵ月間アンドロイド端末で接触を通知しないことが判明しました。

また、同年6月には陽性者との接触通知が14日後も継続していた不具合を修正し、10月には相次ぐ欠陥発覚に会計検査院が厚労省に改善要求。そして今年、全数把握見直しの方針表明を受け、COCOAの機能停止方針を発表しました。

キャスターの堀潤は、感染拡大を防ぐべく、感染した際に周囲に通知するという機能には一定の評価をしつつも「海外のアプリと比べると、少し物足りない」との不満が。

例えば、シンガポールでは接触確認アプリに機能を追加し、ワクチン予約から接種証明、PCR検査の結果確認まで可能。また、ブルネイでは国からの連絡や接種証明、病院やオンライン診断の予約が、接触確認アプリで可能になっています。

こうした状況から日本は“デジタル後進国”との声もあり、あるエンジニアは「日本は単体のアプリを作っているだけ。拡張性のあるデジタルインフラを作っていない」と指摘しています。

では、充実したものを作るためにはどうすればいいのか。ひとつに国民のデータ基盤を政府が構築し、把握していることが必要ですが、日本ではプライバシーの問題が論点になっています。

食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、国家的なアプリを短期間で作るとなると「できる業者は限られている」とし、その流れを構築することは重要で、政府は今回の件を通してそれができたのではと述べます。COCOAは高額なお金をかけて作ったとあって、次に繋がるよう最後まで「使い倒してほしい」と望みました。

大空さんは、日本では個人情報の取り扱いに関して進捗がないことを指摘し、後から何かを加えるのではなく「最初のルールメイキングの中で個人情報をしっかりやらないといけない」と主張。「運用と開発と分けると個人情報のことも統一的な対応ができなくなる、そうした課題が今回いろいろと見えてきたと思う」と話します。

さらに大空さんは、人材登用に関しても言及。与党も野党もコロナ対策において画期的なアプリを開発し話題となった台湾のIT大臣オードリー・タン氏を招き、講演会などをたびたび開催していますが、これに大空さんは「彼のような(有能な)人は日本にもたくさんいる。COCOAを作った人たちがまさにそうで、そういう人たちを登用しないことが問題。オードリー・タンを呼んで何を学んでいるのか」と訴えました。

大空さんの厳しい意見に、古井さんは「日本でできることができない、その構造上の課題をクリアにしてあげる必要がある」と話します。そして、「オードリー・タン氏を呼んで何を学んでいるのか」という意見については同意しつつ、「それを踏まえた上で一番やらなくてはいけないのは、発注からそれ以降の見えるシステム作り、いろいろな面倒があって上手くできないところに光が当たれば」とさらなる可視化を望みます。

堀も人材登用に関しては「国こそ民間から大臣を登用し、一気通貫の仕組みを作り上げるぐらい大胆なことをやってほしい」と切望していました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag