TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。10月11日(月)放送では、デジタル庁統括官の村上敬亮さんを迎え“ワクチンパスポート”について議論しました。

◆民間企業がワクチン接種証明アプリを発表

9月1日、各省庁を統率する司令塔組織として行政のオンライン化をはじめデジタル改革を推進する目的でデジタル庁が発足。その大きなミッションの1つに新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」の電子化があります。

他方、10月6日には民間企業がワクチンパスポートアプリ「ワクパス」を発表。これは、ワクチンを2回接種した上で必要な登録を済ませるとアプリ画面に顔写真入りの接種証明が表示され、登録すると割引や無料などさまざまなサービスが受けられるというもの。

現在、この取り組みには旅行大手HISやJリーグ・鹿島アントラーズなどが関わり、企業は特典をつけることで感染対策をアピールして集客に繋げ、全国のワクチン接種率の向上を目指す狙いがあります。無料で利用できるアプリは近く公開予定で、今後は陰性証明書の発行や海外のワクチンパスポートとの連携も視野に入れ展開していくそうです。

ワクチンパスポートなど医療面におけるデジタルの活用に関して、薬剤師でモデルの福井セリナさんは「医療情報の一元化は医療業界の悲願だったと思うが、一挙に患者情報を管理するのは心配な部分もある」と吐露。また、福井さんが懸念するのは“補助”体制。「そもそもマイナンバーを読み取る機械を導入しなければいけないが、コロナ禍で財政逼迫した病院や薬局もある。導入費用の補助が出るのか」と案じます。

さらに、医療現場では過去に電子カルテが導入された際に規格の違いなどで円滑な共有ができなかったことがあり、「違う病院となると(情報の)受け渡しなどがなかなかできないので、そこをスムーズにしていただけたら」とデジタル庁に期待します。

村上さんは、「まずワクチンパスポートに関して言うと、“QRコード”、実際に読み取るものを揃えておくことが大事」と話します。データを読み取って以降は使う人次第でそれぞれカスタマイズすればいいとのことですが、その根幹となるデータ、「何がQRコードなのかはしっかりと揃えたほうがいい」と注意を促します。

そして、福井さんから挙がった補助については「導入補助はやっていく必要がある」と村上さん。すでに病院の受付で顔認証、マイナンバーなどを読み込むリーダーの無償導入、さらにはシステム改修費の補助もしているものの、「いまだシステム開発会社が提案するコストが高く、補助があってもなお厳しいところもあるようなので、今後はマーケットと対話しながら、どうすれば入れられるのか試行錯誤していく必要がある」と今後の課題を語ります。

◆Z世代が危惧するのは導入時期…不平等の是正を

ワクチンパスポートに関して、現在デジタル庁が考えているものとしては「二次元コード付き証明書(案)」があります。これは、接種証明書と同等の内容を二次元コードから読み取れるもので、マイナンバーカードと4桁の暗証番号からアプリで申請すること可能です。

村上さんによると、運用は最短でも12月。その間にさまざまな人からの意見を伺い、稼働に向けて調整しているそうですが、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、その“導入時期”について「慎重に検討していただきたい」と嘆願します。

というのも、ワクチン接種は高齢者から進めていたため、いまだ若年層の接種率は高くありません。大空さんの元には1日1,000件を超える相談が寄せられるなかで若者からのワクチンの相談もあり、そこからわかる問題点は“不平等”だと言い、「不平等を生まないためにも、例えばせめて若者の2回目のワクチン接種率が6割ぐらいに達してから導入してほしい」と希望します。

これに対し、村上さんは、「12月でも遅いという声も多く、現実的にはそこでやっていくと思う」と言いつつ、大空さんの言うように接種が遅れた若者、さらには体質上ワクチンを打てない人もいるため、「公平性の問題は常に残るので、システムを早く整備することと使い方の部分で配慮してもらえるよう理解してもらうこと、その両方を同時にやっていく必要がある」と不平等さ是正に対する対応策を話していました。

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