TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。4月7日(水)放送の「フラトピ!」では、緊迫するミャンマー情勢について着目。キャスターの堀潤が在日ミャンマー人を取材した模様を紹介しました。

◆ミャンマーの現状を知るべく、堀潤が取材

軍事クーデターの発生から約2ヵ月、現地では連日抗議デモが行われていますが、国軍は市民に銃撃を繰り返すなど弾圧を続け、地元メディアによると4月6日の時点で死者数は500人を超えています。

日本に暮らすミャンマー人は約3万人。なかでも新宿区・高田馬場の“リトル・ヤンゴン”には1,000人近くのミャンマー人が住んでおり、今回はそこにキャスターの堀潤が足を運びました。

話を聞いたのは、リトル・ヤンゴンに飲食店を構え、在日ミャンマー市民協会の代表でもあるタンスエさん。お店にはアウン・サン・スー・チー氏の肖像画が掲示されており、タンスエさんは彼女のことを「ミャンマーでは国民みんなが信用できるひとりだけのリーダー」と言います。そして、スー・チー氏が拘束されたときには「ショックだった。軍事政権が許せなくなった」とも。

長年、日本から祖国を見てきたタンスエさんは、現地の惨状に胸を痛め「今まで殺された人たちの90%が若い人たち。彼らは“自由”、“人権”何も知らない。日本の若い世代も繋がって力になるようにお願いしたい」と訴えます。

都内でも3月に1,000人を超える大規模な抗議デモが行われ、そこには日本人の若者の姿もありましたが、先導していたのはヤンゴン出身の28歳の女性スェイさん。彼女が8 年前に日本に来るまで、ミャンマーでは国軍が政権を握っていたため「言語や教育の自由もなく暗黒の時代でした。言いたいことが言えない、教育も先生に言われたことしか勉強できない、民主化ではない環境で育ってきた」と当時を振り返ります。

現在は1人でも多くの人にミャンマーの現状を知ってもらうべく、英語や日本語を使いSNSで情報を発信。「SNSとかでシェアし、1人でも多くの人にミャンマーを応援していると声を上げていただきたい」と切望します。しかし、スェイさんには気がかりなことが。それはヤンゴンにいる家族や友達のこと。現地ではインターネットが制限され、母親とは約2週間連絡が取れていない状態が続いていると言います。

ネットが制限される前に、母親から届いた最後のメッセージ「諦めないで 若い女性(私の娘)」という言葉を胸に、日本からできる活動を続けています。

◆ミャンマーの問題は日本も他人事ではない

これまでのミャンマーの経緯を振り返ると、1988年に軍事政権のなか、スー・チー氏を筆頭に民主化運動が始まります。そして1990年、総選挙でスー・チー氏の国民民主連盟(NLD)が圧勝するも、政府は政権を譲ることを拒否。その後、2015年の総選挙でNLDが大勝すると翌年に軍事政権が終わり、新政権が発足。スー・チー氏は国家最高顧問に就任しました。2020年11月の選挙でもNLDが大勝しましたが、2021年2月、選挙の結果が不正だと主張し、国軍によるクーデターが発生しました。

番組Twitterには「日本政府が口出しすることでもない」という意見がありましたが、堀は「そうは思わない」と真っ向から反対します。というのも、日本はアジア最大のミャンマーの支援国で、国軍にも支援してきたこともあり「現場で放たれている銃弾は私たちの税金の可能性もある」と言及。さらに、ミャンマーは多くの日本企業が投資しており、「開発だけして、いざとなったら政治問題なのでと関わらないのはおかしい」と糾弾。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんもミャンマーの状況を憂い、「日本が放っておいていいのか」と喧伝。一方、キャスターの田中陽南には大きな疑問が。それは、なぜ国軍は武力で国民を押さえつけるのかということ。「今の日本、私たちには理解できない感覚」と話します。

その疑問に堀は、国際問題にもなったロヒンギャをはじめとする少数民族への弾圧や虐殺の実行部隊が今のミャンマー国軍で、「力を手に入れた彼らが、その力を振るう先を自らの政権を維持するために使っている。暴力装置として怖いところ」と返答。さらには、香港をはじめさまざまな現場を取材した結果分かったのが「有事に入った途端に牙を剥くのが権力。だから“今、日本は大丈夫だ”と思っているかもしれないが、何かあったときには変わる。かつての太平洋戦争のときも琉球に対して日本軍は何をしたのか。同胞だと思っていても起きる怖さがある」と警鐘を鳴らします。

また、番組Twitterには中国との関係性を示唆するツイートもありましたが、堀は中国が隣国ミャンマーを手中に収めることで陸から外海へと抜けることを危惧。そして、中国経済に忖度しているかのような日本政府に対しても「おかしい」と否定し、「フェアな関係じゃないとパートナーシップは組めない」と主張。現状では国連も動くことができないなか、「これは大切な指摘」と視聴者のツイートを評価。「ロシアや中国と、我々自由主義国の対立、せめぎ合いやジレンマがミャンマーを膠着状態に置いている」と話します。

◆虐殺行為を見過ごすな…今、私たちにできること

では今、我々は何をすべきなのか。古井さんは経済制裁や国が声明を出すことなども重要なものの、「僕らができるのは、この状況を『認めない』と言い続けること」と明言。

堀は今回の取材を通して、スェイさんが言い続けていた「安全保障や経済、貿易は政治の問題。しかし、ミャンマーで今、起きているのは政治の問題ではない。虐殺行為が行われていて、本来であればどんなイデオロギーでも共有するべき人権の問題。だから日本の皆さんにもミャンマーの状況を知ってほしい」という言葉が印象に残っているそうで、「この虐殺行為を本当に見て見ぬフリできるのか」と問いかけます。

田中は友達にミャンマーのことについて聞いてみたところ、大変な状況下であることは知っているものの、「その先、(自分たちが)何をしていいのかわからない」との回答が。

田中から「私たちは、何をすればいいのでしょうか?」との問いかけに対し、堀は「僕の持論」と前置きした上で「今年は選挙がある。こういうときに速やかに『日本国としてはこうしましょう!』と言ってくれる政治家を選ぶのは主権者の役割」と力説。古井さんも同意し、「声を上げることで最終的に政治を動かす事例はたくさんある。僕らが主権者としての行動を通じ、世界にメッセージを発信していくことを、ぜひやっていきたい」と思いを語りました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag