TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」。3月25日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」では、弁護士の山岸久朗さんが“コロナ版ローン減免”について述べました。

◆家を守るためにできた新制度「コロナ版ローン減免」

新型コロナウイルスの影響で住宅ローンや事業資金などの借入金の返済が難しくなった人が自己破産とは別の方法で債務整理を進めることができる「コロナ版ローン減免」制度が去年12月にスタート。法的な手続きを取らず、生活や事業の再建を支援するのが狙いです。金融機関の同意が得られれば、引き続き持ち家に住み続けることも可能で、利用のメリットが大きいということです。

せっかくの制度も知らなければ意味がありません。ということで、この日は山岸さんが新制度「コロナ版ローン減免」について解説。まず、その対象となるのは「新型コロナウイルスの影響で失業した人」、「収入・売上が減少したことなどによって債務の返済が困難になった個人・個人事業主」。返済が難しくなる最も典型的な債務は住宅ローンで、これはそういった人たちの家を守るために新たにできた制度です。

次に、債務の対象となるのは原則的には昨年の2月1日以前、つまりコロナが拡大する前に借りたもの。ただし例外もあり、昨年10月30日までにコロナに対応するために負担した新たな債務も対象になるとか。

◆「コロナ版ローン減免」4つのメリット

これまでは負債がどうにもならなくなった場合、「裁判所を通した破産」や「個人再生」の手続きを取らなければなりませんでした。しかし、そうなると多くのデメリットがあり、それを回避すべくできたのが「コロナ版ローン減免」と山岸さん。その主なメリットとして、4つを挙げていきます。

1つは、破産は基本的に借金をゼロにしますが、同時に財産もゼロになるため家も残りません。しかし前述の通り、これは家を残しながら、それ以外の借金をカットする、いわば「残したい財産を残すことができる」と言います。

2つ目は「信用情報」。破産するとブラックリスト入りし、新たな借り入れをしようと思ってもできなくなってしまいます。ところが今回の制度はそれがなく、新たな借り入れをすることが可能。3つ目は弁護士など「専門家の支援が無償で受けられること」。ちなみに、弁護士に破産申請一式をお願いすると通常30万円程度かかります。

そして、4つ目は破産を躊躇する理由として多い、保証人の問題。債務が保証人に請求されるとなると破産に二の足を踏む人が多いものの、今回の制度は原則的には保証人にも請求しないとなっています。

このように、「コロナ版ローン減免」はメリットばかりで、現在、弁護士会には相談が殺到していると山岸さん。とはいえ、問題点もあるようで、それは新制度のため「運用実績があまりないこと」。また、ガイドライン上は債務整理となっていますが、金融機関側にそれを受け入れる義務はないとも。

そのため流れとしては、まず最も借金が多いメインバンクに自分で債務整理のお願いをして同意を取る必要性があり、山岸さんも「そうしないと始まらないシステム、同意しないと何も動かない」と注意を促します。そして、「この制度で全てがうまくいくということにはまだなっていないが、それは今後の運用実績の積み重ねによって徐々に制度化されていくので、悩んでいる人はぜひ一度利用してみては」とおすすめしていました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00(※番組終了)レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross