16日に心不全のため81歳で亡くなった中尾彬さんは〝美食家〟として知られていた。

 中尾さんが生前よく通っていたのが東京・台東区谷中にある居酒屋「谷中鳥よし」だ。落語一家に生まれた妻・池波志乃の実家が谷中にあり、中尾さん夫妻も同地近辺のマンションに住んでいたこともあった。

「谷中鳥よし」の店内に入ると、中尾さんの名前が書かれた置物が展示されている。22日に取材に応じた店主は「毎日通っていたんですよ。でも、もう81歳だからね…突然のことでした」と追悼した。

 同店の人気メニュー「ニラ玉とじ」(600円)は、実は中尾さんのアレンジが加わった一品だという。

 店主は「もともとメニューにあったんだけど、中尾さんが『ニラを細かく刻んでほしい』っておっしゃって。それで今のメニューになった。おいしいと評判で、人気ですよ」と明かした。

 訃報があったこの日も、店は超満員で外国人の姿も。中尾さんがアレンジした人気メニューなどに舌鼓を打っていた。

 中尾さんの食に対するこだわりは、テレビ番組で発揮されることもあった。「料理番組にゲスト出演したときの話です。でき上がった料理に対して、『これもおいしいけど、俺はこっちの料理方法の方が好きだな』と言っちゃったことも。それだけ食、料理に対して本気だったのです」(テレビ局関係者)

 中尾さんらしいエピソードだ。