日本ハム・矢野コーチ 米国修業で学んだ本場と日本との違い

日本ハム・矢野コーチ 米国修業で学んだ本場と日本との違い

【核心直撃】日本ハムの矢野謙次チーム統括本部特命コーチ(38)が派遣先の米国から帰国した。昨季限りで現役を引退した矢野コーチは2月から業務提携先の大リーグ・レンジャーズへコーチ留学。当初は傘下のマイナーチームでの研修が予定されていたが、ベンチコーチである日系米国人のドン・ワカマツ氏の計らいもあり、春季キャンプではメジャーチームに帯同するなど、精力的に活動した。不慣れな異国の地で奮闘した新米コーチが野球の本場で学んだものとは――。

 ――文化も全く違う国。驚かされたことは

 矢野 移動の際の飛行機の時間ですかね。予定時刻に動くことはほとんどないし、まず遅れる(笑い)。もう慣れましたけど。普段のコミュニケーションにしても違いますね。ご飯を食べていたり何か作業をしているときに、話したことがない人からも「それ、何してるの?」とか聞いてきたりする。日本だと知らない人から話しかけられると「えっ?」ってなったりしますけど、距離の詰め方は米国らしいなと思いましたね。

 ――野球に関しては

 矢野 大リーガーが意外と派手じゃないってことですね。日本のプロ野球選手って、派手なアクセサリーをつけたり、ギラギラとしているイメージがあるじゃないですか。意外にも大リーガーでそういう選手は少なくて、グラウンドを出るとごくごく普通の人。服装も至ってシンプルだし、球場の外ではフランクにファンにサインに応じたりと、派手さがないんです。

 ――それはどうしてか

 矢野 大リーガーはマイナーリーグであったり、底辺から這い上がってきた選手たち。厳しい環境で苦しい思いを経験してきたから、どこかで「初心を忘れないように」という思いがあるのかもしれません。

 ――ほかにも日本のプロ野球との違いは

 矢野 査定などの評価に関して、成績や結果が重要なのはもちろんなんですが、その選手の立ち居振る舞いや、社会貢献度などをより重視していると聞きました。ファンサービスはもちろんですし、向こうでは多くの選手が社会貢献活動をしていますね。

 ――そこまで重要視されているとは

 矢野 それもやらされてやるのではなくて、先輩たちがやっている姿を見て、自然と学んでいくんですよね。向こうの野球の特徴として、選手が指導者や先輩に「なんで?」と思うことを意見しても、しっかりとその理由を説明するんですよ。だから後輩たちが続いていく。日本だと「いいから俺の言うとおりにやってればいいんだ!」とはねのけられることもあるでしょうし、自分もそういう経験はたくさんありましたからね。

 ――価値観が変わった

 矢野 そうですね。自分も思ったことはどんどん言うタイプ。「今思っていることをちゃんと言う」ということは絶対大事だと思います。だからこそ、選手に「なんで?」と聞かれてもしっかり説明できるようにならないといけない。もちろん日本の文化もあるので、そう簡単には変わらないとわかっていますが、一度そういう環境ができれば後から入ってくる後輩たちも続いていくようになりますし、今はそういった土壌づくりをしている最中です。


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