【根岸S(日曜=2月2日、東京ダート1400メートル=1着馬に2・23フェブラリーS優先出走権)栗東トレセン発秘話】昨年7月にディープインパクトがこの世を去った時、池江調教師は「ディープ自身が出てきたのは、父のサンデーサイレンスが死んだ後だった。だからディープ産駒のすごい馬も、ディープが死んだこれから出てくる可能性がある」と話していた。まさに、この世界に伝わる「死んだ種牡馬の子は走る」という言い伝えだ。ゴールドアリュールが死んだ翌日にゴールドドリームがフェブラリーSを勝ったのは有名な話。遺伝子を残そうとする動物の本能が、科学では証明できない子孫の激走を呼び込むのか?

 先日、エンパイアメーカーがこの世を去ったという報道があった。2011〜15年に日本で種牡馬生活を送り、主にダートで活躍馬を輩出。総じて産駒には“ゲートに難がある”面白い特徴があった。

「最初はゲートでうるさいどころか、おとなし過ぎて出遅れてしまうようなタイプでした。でも、エンパイアメーカーの子は突然、豹変してゲートで悪さをすると聞いていたので、しばらくは、ずっとゲート練習をしていましたね」

 GIII根岸Sに出走するスマートダンディーのデビュー当時をこう振り返るのは担当の間宮助手。現役ではナムラアラシの次に本賞金を稼いでおり、オープン2勝の実績からも“現存”するエンパイアメーカーの代表産駒といっていい。

「死んだ(種牡馬の)子は走る? まあ、そんな話もありますけど、今度は初めての重賞で相手も強いですし、そこまで力は入ってないんですよ」

 あくまで挑戦者としての立場を強調する間宮助手だが、「前走(ギャラクシーS=1着)みたいにスパッと切れて、かなり強い競馬をする時がありますからね。デビューから大きく崩れたことがほとんどないし、稽古もやれば時計は出るんで」と色気もチラリ。

 2週前追い切りで自己ベストとなる坂路4ハロン50・9秒の猛時計を叩き出したのは実は勝負にきているからこそ? 父エンパイアメーカーの後押し込みで大駆けを期待してみたい。