男子マラソンで前日本記録保持者の設楽悠太(28=ホンダ)が放った“五輪辞退発言”の余波はまだまだ収まらない。

 東京五輪代表の残り1枠を争う東京マラソン(3月1日)に出場するが、大迫傑(28=ナイキ)の持つ日本記録(2時間5分50秒)を上回るタイムを出せば3枠目の候補になる。だが設楽は23日の公開練習で「2時間5分台で日本記録を出しても辞退すると思う」と言い、五輪の出場権を手放す可能性を示唆。関係者やメディアが大いにざわつく事態となった。

 28日の会見で設楽はこの発言の真意について「5分台で五輪に出ても、ファンの皆さんの期待には応えられない。4分台なら少しは応えられると思うので」と説明した上で「自分の言ったことにうそはつきたくない」と、この日も変わらぬ意思を示した。

 来場した日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)は「設楽君らしくていい。4分台ぐらい出そうと思わないと設定記録は切れないと思う。たぶん3分台ぐらいを狙っているんじゃないか」と設楽の胸中を代弁。とはいえ、五輪出場権を手にした選手が辞退することなど本当にあり得るのか?

 他競技では「骨折していても五輪には出る」と言った某金メダリストもいたが…。東京マラソンレースディレクターの早野忠昭氏(61)は本紙の取材に「わかんないですよね。お世話になった会社のためにとか、家族とか、いろんなこと言われて出ることになるような気もする」と推察する。一方で「(辞退の)気持ちは確かに持ってると思います。逆に僕らはそれぐらいの気持ちを望んでいた。彼の姿勢はすごく好きです」と“辞退発言”を意外にも歓迎した。

 実際に五輪辞退となればまたひと騒動起こりそうだが、いずれにせよ日本記録を出さないことには何も始まらない。「東京マラソンは相性がいい」と腕をぶす設楽は、あえて自らを追い込んだことで驚異的な日本記録更新となるのか。大きな注目を集めそうだ。