【赤ペン! 赤坂英一】巨人の新たな本拠地と目される築地の新球場について、気になることがひとつある。当初は天然芝の開閉式ドーム球場と伝えられていたが、1日の発表によると、人工芝の密閉式になるという。

「築地新球場は野球専用ではなく、他のスポーツやさまざまなイベントも開催される多目的スタジアムなので、傷みやすい天然芝は使いにくい。また、海が近いことから、屋根を開くと潮風に運ばれる塩害にさらされるから」と、読売関係者が語る理由は分かる。

 が、将来の巨人監督候補に挙がる松井秀喜氏が現役時代、東京ドームを人工芝から天然芝に変えてほしいと望んでいたのはファンにもよく知られた話だ。

 2000年に日本初のMLB開幕戦(カブス―メッツ)が行われた時のこと。私がカブスのベイラー監督に人工芝の印象を聞いたら「あちこちがデコボコで穴だらけ。選手には試合に勝つのも大事だが、ケガだけには気をつけろと言った」とぶちまけていたものだ。

 そんなこともあって、松井氏がFA資格を取得した02年開幕前、巨人は当時「最も天然芝に近い人工芝」と評判のフィールドターフに張り替えている。元巨人選手の球団職員がレイズのトロピカーナ・フィールドへ視察に行き、十分に感触を確かめた上での初の張り替えだった。しかし、松井氏はそのオフにヤンキースにFA移籍している。

 築地の新球場ではサッカーやラグビーの公式戦や国際試合の開催も見込んでいるという。今からでも、天然芝にしたほうがいいのではないか。

 一方で、32年の新球場開場まで、あと8年使用される東京ドームの天井も大いに気になる。開場した1988年は真っ白だった天井は、今やすっかり黒ずんでしまった。

 この天井が汚れ始めたころ、「ツートンカラーに染めたらどうだろう」と言い出した人がいる。3日の球団創設90周年イベント<長嶋茂雄DAY>に登場した主役、他ならぬ長嶋さんである。

 長嶋さんが監督で清原和博氏がFA移籍した97年、清原氏の本塁打が多い天井の左翼側、松井氏がよく一発を放つ右翼側を青と赤、オレンジと黒などに色分けし、2人が天井にぶつけ合ったら盛り上がる。「これを名付けてMKゾーン! う〜ん、どうでしょう、皆さん!」とおっしゃったのだ。

 長嶋さんがブチあげた天井カラー化計画、結局は立ち消えになったものの、これを機に再考するべきかもしれない。あと8年でどれだけ黒ずむか、分かりませんから。