投げっぷりも存在もまさに脅威だ。ソフトバンクは15日の楽天戦(楽天モバイル)に7―3で逆転勝ち。連敗を阻止し、貯金を再び今季最多タイの14とした。

 先発した石川が今季のチーム最短となる4回途中3失点で降板。それでも5回に柳田の2点適時打で逆転するとそのまま突き放した。そんな中でも光ったのが盤石のリリーフ陣だ。石川の後を受けた長谷川―杉山―ヘルナンデス―藤井―松本―津森が零封リレー。これで中継ぎ陣の連続無失点は25回3分の2まで伸びた。開幕前からの触れ込み通りでもあるが、よりライバル球団の頭を悩ませる存在となっているのが最速159キロ左腕のヘルナンデスだ。

 今季は開幕一軍が内定しながら、右太もも筋損傷のため初昇格したのは4月末だった。しかし、6試合に登板して防御率0・00で被安打はわずかに1本。投球内容に無双感も漂っており、チーム内からは「守護神級」との評価も上がっている。

 特に左打者は背中側から対角線上に伸びる剛速球に大苦戦。レッドソックス時代に大谷(現ドジャース)を通算4打席4三振に斬った左腕が、NPB2年目にして真価を発揮し始めた。

 若田部投手コーチは「心強い。1年目の荒れていた部分が改善されて計算が立つようになった。日本のストライクゾーン、打者に慣れたのはやっぱり大きい。オスナと春から行動をともにして一軍で過ごす時間が増えたこともプラスに作用している」と背景を語る。

 現在、鷹の「勝利の方程式」は7回が藤井、8回は松本、9回はオスナだが、ヘルナンデスも割って入りそうな雲行きだ。首位を快走するチームにあって中継ぎ陣の疲弊防止は大きなテーマだけに、最終盤を担える戦力の台頭は大きな希望。「大谷キラー」の存在感が日に日に増している。