新井カープが助っ人の大改造に乗り出す。広島は20日時点で18勝15敗4分けのセ2位。37試合で104得点はリーグワーストながら、打線は徐々に活気づきつつある。

 19日の巨人戦(マツダ)は11安打9得点で2戦連続の2桁安打。28日からは交流戦が控え、パの本拠地では投手が打席に立つ必要がない「DH制」が採用される。セ球団にとっては打力のある選手を通常よりも1人多く起用でき、より攻撃重視のオーダーを組むことができる。そんなこともあり、チームでは「一発長打」を見込める大砲の〝改造〟に着手する。

 それは新助っ人のジェイク・シャイナー内野手(28)だ。昨季は3Aで30本塁打、102打点の触れ込みで加入した今季の4番候補だったが、開幕2戦目で右手を骨折…。早々と離脱となった上に悩ましいのは実戦復帰した後の二軍での低迷ぶりだった。

 18日まで打率1割4分7厘に低迷し、本塁打と打点はゼロ。二軍戦の映像をチェックした朝山一軍打撃コーチは「彼は非常にマジメ。いいところを出すより、これをやっちゃいけないという方が先行し、スイングも小さくなっていた」と指摘した上で「常に力強いスイングで、全部三振でもいいぐらいの気持ちで強く振ることを意識してほしい。外国人選手に求めるのは『怖さ』。4打席1安打でも、その1安打が本塁打、二塁打と。求める魅力はやっぱりそこ」。全球長打狙いの〝フルスイング指令〟を二軍首脳陣に伝達するという。

 19日には二軍戦で来日1号となる逆転3ランを放った。とはいえ、求められるのは一軍での大暴れだ。チームの本塁打数は15本でこちらもリーグ最少。さらなる得点力アップへ、悩める助っ人の本領発揮が待たれる。