広島・床田寛樹投手(29)が21日の阪神戦(マツダ)に先発し、8回途中6安打2失点(自責1)の力投。6―2の快勝に貢献し、リーグトップタイの今季5勝目を挙げた。

 この日は味方打線の手厚い援護点にも恵まれ、中盤以降は「完封も狙った」と振り返ったほど、テンポ良くスコアボードにゼロを並べたが、自身も〝冷や汗〟をかいたというのが初回の立ち上がり。先頭・近本に1球もストライクが入らず四球、続く中野の初球もボールも、まさかの5球連続「ボール」。試合前で約49イニングを投げ、与四球は16と制球力には定評がある左腕だっただけに「僕もビビったっす。(ストライクが)入らへん、入らへんって」と自分でも不安でも感じるほどだったという。

 ただし、大乱調の船出もリーグNo.1防御率の左腕だけに〝修正〟も早かった。2回以降は直球、ツーシーム、カットボール、パーム、チェンジアップなどを自在に操り、7回まで、虎打線を2併殺、三塁すら踏ませない投球で手玉に取った。

 球数が110を超えた8回はさすがに疲れからか、敵打線の連打にあったが、救援陣のサポートも仰ぎ、今季5勝目。登板前からリーグトップの防御率は1・27としたほか、勝ち星も阪神・才木の5勝に並びリーグトップに並び「まだ始まったばかりなので気にしてはいないですけど、ちゃんと試合を作れているのはいいことなのかなと思います」とキッパリ。8試合でクオリティー・スタート(先発6回3失点以内)率100%の内容への手応えも口にしていた。