まさかの大乱調だった。阪神・村上頌樹投手(25)は21日の広島戦(マツダ)に先発したものの、5回9安打1四球5失点。チームは2―6で敗れ、自身も3回までに5点を失う背信投球で今季4敗目(2勝)を喫した。

 初回早々から先頭の秋山に初球を簡単にとらえられ、左中間二塁打。さらに自身の暴投で無死三塁のピンチを招き、野間には右前適時打を浴びてあっさりと先制点を与えた。2回も末包に初球を左翼線へ運ばれて二塁打。続く矢野のバントヒットで無死一、三塁とされ、林の右前適時打で2イニング連続失点を許した。

 3回も一死から小園、坂倉の連打で一、三塁とされ、末包には高めに入ったフォークボールをとどめとばかりにバックスクリーンへ運ばれて痛恨の3ランを被弾。甘く入った投球をことごとく痛打された右腕は「ストレートも変化球も高くなったところを打たれてしまいました」とうなだれるしかなかった。

 特に広島の1番・秋山には直近3度の対戦カードで初回に長打を浴び、いずれも失点につながっている。4月30日の対戦では先頭打者本塁打、5月7日も二塁打、そしてこの日も二塁打と分の悪さが顕著な結果で表れている。「打たれた球は甘かった。ただただ甘かっただけなんで。それだけです」。自らが招いた大量失点には、ただ反省するしかなかった。

 5回までは続投したものの自己ワーストの被安打9、自己ワーストタイとなる5失点と厳しい数字が並んだ。試合前にはリーグ2位の1・30だった防御率も2・03と悪化。昨季、新人王とMVPに輝いた虎の右腕が今季は苦しんでいる。