格闘技イベント「RIZIN.47」(6月9日、東京・国立代々木競技場第一体育館)で、クレベル・コイケ(34=ブラジル)と対戦する元ベラトール世界バンタム級のフアン・アーチュレッタ(36=米国)が意気込みを語った。

 昨年大みそかに自らが保持していたRIZINバンタム級王座をかけて朝倉海と対戦したアーチュレッタだが、まさかの計量失敗で王座はく奪となった上に試合も2ラウンドTKO負け。だが年が明けて新たにRIZINと契約をかわし心機一転フェザー級での戦いに身を投じる。1階級上げての戦いに「バンタム級では、やり切ったと思う。だから次は2階級の王者を目指してチャレンジをしてきたい」と拳を握る。バンタム級では減量に苦心していたことを明かし、フェザー級での調整を「今までより体に力を感じる。技を高めるためのファイトキャンプができている」と充実感をあらわにした。

 新たな階級ではいきなり元王者のクレベルとの対戦になる。その強さを過去の対戦相手と比較して「トップ5に入ってくると思う。40戦以上やって経験もあるので、理論上トップの選手だ」と警戒した。それでも昨年9月にその寝技を完封して判定勝ちを収めた金原正徳の取った戦術が最高になるとして「逃げずに柔術に対応できるのを見せつけて圧倒的に勝つのが完ぺきなゲームプランだと思う。寝技を恐れていない姿勢を見せるのが大事。グラップリングが強みの選手同士が戦う時、寝技が相殺して打撃戦になることも度々ある。そういうところを狙ってキックボクシングの強化もしている」と分析。その上で「フィニッシュしないといけない。元王者をフィニッシュすることで価値が上がり、発言権が大きくなると思うから」と一本かKOでのフィニッシュを誓った。

 その勝利の先に見ているのは、鈴木千裕が持つフェザー級のベルトだ。アーチュレッタは「鈴木は今すごく波に乗っているし、評価すべきKOを多く生んでいる。彼のスタイルは好戦的でハートで戦うので、そういう選手と戦うのは大好き」だと評価しつつ、対戦を熱望する。そして「勢いに乗っている選手に勝つのが自分の価値向上につながると思う。戦うことになったら、MMAの技術を全て使って戦いたい。鈴木選手に考えさせて後手に回させたたい。柔術やキックを使い、相手よりも早く動きことがキーになると思う。今やったら自分が100%勝つだろう」と自信たっぷりに話した。

 本格参戦となったアーチュレッタが混迷のフェザー級戦線にどう影響を及ぼすか。