好調維持の要因は、あの〝宇宙人〟のおかげだった!? セ・リーグ3連覇を目指す巨人が奮闘を続けている。なかでも安定感が光るのは先発投手陣だ。既に消化した21試合のうち17試合で6回以上を自責点3以下のクオリティースタート(QS)をクリア。その背景には登板わずか1試合で二軍落ちとなった井納翔一投手(34)への処遇も追い風になったようで…。


 ここまで巨人は11勝6敗4分けで貯金5と善戦し、20日から3ゲーム差で首位に立つ阪神との直接対決に臨む。新助っ人のスモークやテームズ、丸らの主力野手は不在のままだが、2位の好位置につけられている大きな要因は投手陣の踏ん張りだろう。

 チーム防御率2・36は阪神(同2・21)に次いでリーグ2位。しかも開幕ローテーションの5、6番手を争っていた両左腕が絶好調だ。

 高橋は3戦3勝で、防御率0・41はリーグトップ。4戦2勝の今村も同0・92の3位と大健闘している。11日からは今村、サンチェス、畠、高橋、菅野、戸郷の先発6人がQSをクリアして全員に白星もついた。ブルペンへの負担も軽減される好循環が生まれ、宮本和知投手チーフコーチ(57)も「我々投手陣はここまで非常にいい形できている」とホクホク顔だ。

 この好調ぶりは選手個々が力を発揮しているからだろうが、開幕早々に原辰徳監督(62)や宮本コーチの振るった〝大ナタ〟が好影響をもたらしているとの見方もある。それが、昨オフにFA加入した井納への「即断抹消」だ。

 井納は移籍後初登板となった3月31日の中日戦(バンテリン)で2回もたず、1回0/3で4連打を含む5安打4失点でKOされた。試合後の首脳陣の動きは迅速で、原監督は「ちょっと調整不足かな。いろんな意味でね」とバッサリやり、宮本コーチも「ファームに落とします」とピシャリだった。

 まさに即断即決。〝三顧の礼〟で迎え入れたFA戦士をわずか1試合で二軍送りにしたことに、球団関係者からは「井納はCランクだったとはいえ、FAで来てもらった戦力。登板前に頭のケガがあったりはしたけど、FAで来た選手だから…と特別扱いしない判断はなかなかできるものではない。あの一件で首脳陣の見せた姿勢が、投手陣全体にいい緊張感を与えたのではないか」との声が上がっていた。
 FAだろうが新戦力だろうが、抑えられなければ問答無用で二軍に落とす。指揮官が采配の鉄則とする「実力至上主義」を井納に対しても貫いたことで「次は俺も…」の危機感が広がったというわけだ。

 その井納は二軍戦3試合に登板して1勝2敗、防御率4・05。このままチームの〝引き締め役〟で終わるわけにはいかない。名誉挽回の一軍マウンドに立つためにも、牙を研いでおきたいところだ。