20日から始まった、故アントニオ猪木さん(享年79)の功績を振り返る「超・燃える闘魂 アントニオ猪木展」(東京・京王百貨店新宿店)が26日、大盛況のうちに閉幕した。

 昨年8月に同店で開催された「猪木展」をスケールアップした「超猪木展」は、連日多くの〝猪木信者〟が訪れ、約3万人が来場。特設リングでの撮影者は、昨年の3000人を上回る約4000人となった。主催の猪木元気工場(IGF)によると、開催期間中に毎日通い詰めた熱心なファンがいたほどで、亡くなっても変わらぬ闘魂人気を証明した。

 48年前に伝説の猪木vsモハメド・アリ戦が行われたこの日、クロージングイベントには、新日本プロレス黄金時代に猪木さんをコールした田中ケロリングアナウンサーが参加。最後はアントキの猪木と「1、2、3、ダーッ!」で締めた。

 新日本、旧IGFで猪木さんと関わった田中リングアナは取材に応じ「こうやって、猪木さんの名前でいっぱい集まってくれるのはうれしいこと」と笑顔。その上で「もっともっと全国でやってもらって、先々は猪木さんの展示館ができればいい。時間がたてば、猪木さんの現役時代を知らない方が増えてくる。少しでも猪木さんの記憶をとどめておいてほしい」と「アントニオ猪木展示館」の設立を要望した。

 田中リングアナによると、猪木さんは「寂しがり屋だった。かまってほしくて、よくちょっかいを出された」。その上でこんなエピソードを明かす。

「福岡(巡業)で休みの日に映画を見に行こうとしたら、(ホテルの)ロビーに猪木さんがいて『ケロ、どこに行くんだ?』と言うんで、『映画に行きます』と答えたら、ついてきちゃったんですよ。それで、2人で映画を見た思い出がある。一人で映画を楽しもうと思ったのに、猪木さんのお世話もしなくちゃいけなくて、映画が楽しくなかった(笑い)」

 寂しがり屋だった猪木さんにとって、3万人の来場者はファンからの最高のプレゼントだったに違いない。