背番号8の劇弾に東京ドームのG党が酔いしれた。巨人・丸佳浩外野手(35)が、28日の広島戦(東京ドーム)に「1番・右翼」で先発出場し、延長10回に5号サヨナラ本塁打。熱戦をひと振りで制し、チームを3―2の勝利へと導いた。

 2―2で迎えた延長10回一死走者なしで打席に立った。マウンドには広島の守護神・栗林良吏投手(27)。ここまで通算13打数無安打の難敵相手に「前に飛ばしたら勝ち」という気持ちで挑み、カウント2―0からの変化球を捉えた。

「本当に完ぺきでした」と語る一打は、右翼席中段へ飛び込んでいった。丸は打った瞬間に本塁打を確信し、一塁ベンチにガッツポーズ。ダイヤモンドを一周すると、チームメートから手荒な祝福を受けた。

 この日は本塁打を含め4安打の大暴れ。これで打率も3割1分とし、一気にリーグ首位打者へと躍り出た。リードオフマンとしてこれ以上ない働きを見せるベテランに、阿部監督は「1番に入ってチームを引っ張っていくんだという姿勢をすごく見せてくれていますし、ずっと好調をキープしてくれているんでね。素晴らしいと思います」と称賛した。

 セ4位のチームは首位・広島とのカード初戦をものにし、これで3・5ゲーム差。丸は「すごく大事な試合というのは、チームのみんなわかっていると思う。その中で監督が試合前に『這いつくばってでもやってやろう』と言っていたので。形はどうであれ、勝ててよかったです」と力強く語った。打線に勢いをつける切り込み隊長に今後も期待が高まる。