サッカー女子元日本代表で2011年ドイツW杯優勝メンバーのFW岩渕真奈氏が〝未来を担う若者〟たちにエールを寄せた。

 日本銀行が3日に発行を開始した新紙幣の5000円札に津田塾大学の創始者である津田梅子が採用されたことを受け、同大と東京都スポーツ事業文化団が主催するイベントが同日に都内で行われた。第1部のトークショーではレスリング女子48キロ級で16年リオデジャネイロ五輪金メダルの登坂絵莉氏、同大の高橋裕子学長、同大学芸学部国際関係学科准教授のマーヤ・ソリ・ドワール氏とともに出席。同大の学生に向けて日本と海外の違いなどに言及した。

 長きにわたって海外でプレーした岩渕氏は「自分の表現を大事にするなと思っている。勉強が大事だと思う人はバスの中で勉強したりしている。パーティーピーポーみたいな子もいるけど、自分に自信を持っている子が海外には多い」と印象を口にした。

 その上で「1個壁を超えると見える景色は違う。1つのチャレンジを楽しむことが女性の地位の向上につながる。自分を強く持ってほしい」と訴えた。

 最後には学生から質疑応答に対応した。「人生とキャリアの両立」に関する相談に、岩渕氏は「現役の時にその後のキャリアで何をしたいかはなかった。サッカーを辞めたときにものすごく不安もあったが、そういう時に助けてくれるのは今まで支えてくれた人。自分1人で何かを成し遂げることはできない。一緒に頑張ること、人のために頑張ることは力になる」と力説し、登坂氏は「アスリートを引退して2年目になるが、いろいろな仕事をやらせていただくとともに、子育てもしている。キャリアを歩む中でブレないもの、人に喜んでもらえることをやりたいので、そこを逆算している。とにかく挑戦することが大事。やらない限り学びはない。完璧を求めずにまずはやってみる」とアドバイスを送った。