【阪神JF】信頼度なら姉ソウルスターリングが上も「伸びシロ」ならシェーングランツ

【阪神ジュベナイルフィリーズ(日曜=9日、阪神芝外1600メートル)美浦発トレセン秘話】2歳世代最初のGI阪神JFが目前に迫ってきたところで、これまでの当世代の戦況を振り返ってみると…。2歳戦でともに14勝を挙げている友道厩舎(勝率はナント51・9%)と藤沢和厩舎(同41・2%)が圧倒的な存在感を示している。

 当レースに友道厩舎からはビーチサンバ、レッドアネモス、サヴォワールエメ(抽選対象)の3頭がエントリー。一方の藤沢和厩舎もアルテミスS勝ちのシェーングランツが駒を進めてきたのだから、今年の流れがそのまま反映された格好だ。

 藤沢和厩舎にはご存じのように2歳牝馬ナンバーワンと目されるグランアレグリアがいるのだが、主戦ルメールが香港で騎乗するため翌週の朝日杯FSへスライド。“脱セオリー”となる牡馬との対戦を早々に決断するあたりが藤沢和キュウ舎たるゆえんか。

 もっともシェーングランツとて、半姉に一昨年の覇者でもあるソウルスターリングがいる、POGでは世代屈指の注目を集めた存在。改めてスポットを当ててしかるべきだろう。そこでソウルスターリングの調教パートナーも務める千島助手に、これまでの3戦をじっくりと振り返ってもらった。誰もが気になっているのは1番人気に支持された札幌の新馬戦で5着に敗れた当時の状況ではあるまいか。

「パドックからいつもの様子じゃなかったですね。暑さのせいなのか、歩きたくないような格好をしたりと、競馬ってことをわかってないまま馬場に入る感じで…。前進気勢もなく、まともに走らないまま終わってしまいました」

 ところが、続く未勝利戦では5馬身差圧勝と一変の走りを見せる。

「新馬戦とは様子が違っていて、ハナに行ってしまうのでは…と思わせるくらい気合が乗っていた。ただゲートが開いた時に慌てた感じになって、初戦同様の走りになりかけたんだけど…。自分のリズムで走れるようになってからは、いい脚を使ってくれました」

 そして初の重賞チャレンジとなったアルテミスSを直線一気で難なくものにする。当時、藤沢和厩舎は札幌で新馬戦を快勝したミリオンドリームズも出走を予定していたのだが、直前に回避したため同馬に騎乗予定だった武豊がシェーングランツの手綱を取る“運”に恵まれた。重賞タイトル奪取は手が合ったゆえか、距離が合ったのか…。

「マイルが合ったというよりは、馬自身の走りがまとまって、しっかりとした脚を使えるようになったことが大きいんじゃないのかな」

 馬が徐々に完成されつつあるとなれば、半姉ソウルスターリングと比べたくなる。

「同じ時期で比べると、レースでの位置取りを含め、信頼度では姉の方が上。でも父が(フランケルからディープインパクトに)替わって、この先の伸びシロという意味ではシェーングランツの方が上と感じています。入厩したときは姉をイメージしていた分、すごく幼いと感じた。姉の方は完成されていましたから。でも使うごとに馬体が締まって、以前は余していた部分を上手に使えるようになってきた。本当に成長しています」

 では最後にグランアレグリアとの比較では?

「グランアレグリアは(同じ時期の)ソウルスターリングに近い。精神的にも自立していて、周りを気にせずに、調教でもレースでも走ることができる。能力の高さは当然として、完成された部分が多いですね」

 現状の完成度では姉ソウルスターリングやグランアレグリアにはかなわないのかもしれない。ただ、前走以上の走りを約束させる“成長力”は魅力大。当日の走りを期待せずにはいられない。


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