イトーヨーカドー弘前店(青森県弘前市)の後継となる食品スーパー「ロピア」が今冬に開店し、一部テナントは10月31日に先行オープンすることが10日、分かった。店頭に開業時期などを知らせる紙が張り出された。ヨーカドー弘前店の最終営業日は9月29日と明記された。同店閉店後も、併設するバスターミナルや6階の一部医療機関は通常通り営業するという。

 同店は地下1階がスーパーやフードコート、1〜8階が衣料や生活雑貨、レストランなどで、「ロフト」「無印良品」「アカチャンホンポ」など約40のテナントが出店している。

 イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイホールディングス(東京)の広報担当者は取材に対し、店舗建物やバスターミナル、駐車場などの同社所有部分を、ロピアを運営するOIC(オイシー)グループ=川崎市=に承継すると説明。ロピア側は「(スーパーの開店日や入居するテナントなど)詳細は今後改めてお知らせする」と答えた。

 10日朝のヨーカドー弘前店開店時、店頭には3枚の紙が張られ、店長名の張り紙には「47年間のご愛顧ありがとうございました」「閉店まで従業員一同、心を込めて営業してまいります」と書かれていた。

 市内に住む田中淑子さん(80)は「よく利用しているので閉店はとても残念。食品以外にも無印良品やロフトを見るのが楽しみだった。テナントはそのまま残ってくれるとうれしい」と話した。

 あるテナントの男性従業員は「ショックだが、弘前店だけの話ではないので仕方ないかなと思う部分もある。お得意さまがいるので、残れるなら残りたい」と語った。

 県内のヨーカドーは五所川原店が3月末に閉店した。青森店は7月28日、八戸沼館店は8月31日に閉店する方針。後継店のロピアは、青森店が11月中旬ごろにスーパー部分の開業を予定、2025年夏ごろの全館オープンを目指している。