【熱中症対策義務化】大型扇風機、ファン付き作業着、連絡体制整備… 青森県内企業も対策に力
東奥日報6/16(月)9:00

熱中症対策で工事現場に導入されている大型扇風機(左)とミストファン=9日、青森市
事業者による熱中症対策を罰則付きで義務化する改正労働安全衛生規則が6月1日に施行された。熱中症の重篤化防止に向け、熱中症の恐れがある作業員がいる場合の連絡体制の整備や必要な措置の手順の作成、関係者への周知が義務付けられた。青森県内でも、屋外での仕事が多い建設業や警備業では、事業者が大型扇風機の設置やファン付きの作業着を導入するなど、作業員の体を冷やす取り組みに力を入れている。
藤本建設(本社・青森市)は数年前から熱中症対策を実施している。市内の工事現場には、タンクに水を入れ微細な霧で噴射するミストファンや大型扇風機、製氷機を設置。スイッチを入れるとファンが回り外気を取り込む作業着を導入した。単独行動を避けるように周知し、体調不良者が出た時の連絡体制も整えている。
同社建設部の奈良岡慎也課長は「(熱中症の症状を)重篤化させないことが第一。元気に仕事に当たってもらえるような環境にしたい」と話す。
県内の建設業860社で組織する「建設業労働災害防止協会青森県支部」(青森市)によると、熱中症対策への意識は年々高まっているものの、人手不足を背景に熱中症対策に人員を割けない業者も多く、作業員が体調不良を言い出しにくいケースもあるという。飯田香映事務局長は「青森県は寒冷地のため、熱中症への危機感が薄いと感じることもある。今後も継続して熱中症対策を周知していく」と強調する。
北日本警備保障(本社・弘前市)は月1回の研修会で熱中症対策について説明し、警備員同士の体調確認を徹底させている。交通誘導警備員に限り、ファン付きの作業着を着用している。同社の担当者は「今後も現場の負担にならないようにできる限りの対策をしていく」と語る。
青森労働局のまとめによると、2024年に熱中症で医療機関を受診した労働者は70人(前年比114人減)で過去3番目の多さだった。業種別では建設業が28人で最も多く、全体の40%を占めた。
同労働局では6月から「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施。角井伸一局長は「労働者が体調不良を言い出しやすいように、職場環境の改善を事業者に伝えていく」と述べた。
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事業者の熱中症対策の義務化 厚生労働省は4月、熱中症対策を罰則付きで事業者の義務とする改正労働安全衛生規則を公布、6月1日に施行した。暑さ指数28以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超える作業が対象。事業者が対策を怠った場合、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性がある。義務化の内容は▽熱中症の事案を報告するための連絡先や担当者を事業所ごとに定める▽症状の悪化防止に必要な内容や手順を事業所ごとに定める▽労働者に対策の内容を周知する−が柱。




