ドゥアイズは普段とは違う競馬となった阪神JFで3着に食い込んだ

クイーンカップ2023

[GⅢクイーンカップ=2023年2月11日(土曜)東京競馬場、芝1600メートル(3歳牝)]

 デビューから3戦の〝ある数字〟を見ればドゥアイズ(庄野)のレーススタイルがよく分かる。最速までは至らずとも、好位から2、3位の上がりで安定して上位に顔を出す。陣営が「持続力がある」とその末脚をアピールするのも納得だ。抜群に切れる脚は持っていないが、いい位置につけて長く脚を使える。

 前走の阪神JFは〝まさか〟の位置取りだった。スタートで遅れて4角でも12番手というポジション。前受けして、持続する脚を使う本来の競馬ができなかった。

 さらに、内にこだわった鞍上・吉田隼が直線馬群の中を突いたものの、運が悪い時はそれが重なるもので、前が詰まって一旦追うのをやめるシーンもあった。それから再加速しての3着だから、勝ったリバティアイランドには及ばなかっただろうが、スムーズだったらクビ差2着のシンリョクカには逆転していた可能性が高い。

「ゲートの中でまったりしてしまって…。それでも最後はよく伸びて、春が楽しみとなる走りは見せてくれました」

 この時、次戦以降でリベンジをにおわせていた鞍上・吉田隼がクイーンCの1週前追い切りに騎乗。3頭併せで最先着を果たし、栗東ウッド6ハロン83・0―12・1秒と力強い動きを披露した。

「前走を使った後もダメージはなかったですね。調教の動きもいいし、いい意味で変わりなくきています」。担当の蟹江助手も納得の動きで好仕上がりをアピールした。

 同世代で22年のJRA最優秀2歳牡馬に輝いたドルチェモアと同じ父ルーラーシップ×母の父ディープインパクトの配合なら、まだまだ伸びしろが期待できよう。抜群の決め手で世代の牝馬トップに躍り出たリバティアイランドとは対照的なスペックを持つこの馬が初の東京コースでハイパフォーマンスを見せれば、女王逆転も見えてくるはずだ。

著者:東スポ競馬編集部