皐月賞馬ソールオリエンス(白帽)が不動の中心だ

日本ダービー2023

[GⅠ日本ダービー=2023年5月28日(日曜)3歳、東京競馬場・芝2400メートル]

 2020年に生産されたサラブレッド7708頭(持ち込み、輸入された外国産馬を含む)の頂上決戦・日本ダービーがいよいよ今週末に迫った。今年は節目となる第90回目を迎える。

 他の追随を許さない主役の座に君臨するのは3戦3勝の皐月賞馬ソールオリエンス(牡・手塚)だ。その皐月賞は後方追走から末脚一閃。世代トップの破壊力を大いにアピールした。一昨年にエフフォーリアでハナ差2着に泣いた主戦の横山武にとっても期するものがあるはず。自身4度目の挑戦で忘れ物を取りに行く。

 無敗の2冠馬誕生となれば20年コントレイル以来、史上8頭目(2冠馬は25頭目)。2歳戦が実施されるようになった1946年以降で3戦目での皐月賞勝ちは史上初、キャリア3戦以下でのダービーVはフサイチコンコルド(96年=2戦)、シャフリヤール(21年=3戦)の2頭しかいない。昨年2着のイクイノックス(当時が同じく4戦目)しかりで、浅いキャリアは近年の主流であり、選ばれし者だけが可能とするローテーション。このまま一気に戴冠をつかむ可能性は相当高い。

 ライバル勢も関東馬が中心となろう。筆頭格は皐月賞2着のタスティエーラ(牡・堀)。最後の直線で堂々と抜け出した皐月賞が〝負けて強し〟の内容だったことは誰もが知るところ。父サトノクラウンは現役時代、皐月賞6着→ダービー3着とパフォーマンスアップに成功。また、新コンビを組むレーンにとっても20年サリオス(2着)で届かなかったビッグタイトルだけに力が入る。

 未勝利から一気の3連勝でGⅡ青葉賞を制したスキルヴィング(牡・木村)はデビュー以来、一貫してルメールの手綱。これまでにダービー制覇の前例がない青葉賞組とはいえ、舞台経験に加え目下の勢いを加味すれば歴史を塗り替える可能性は十分ある。

 一方、皐月賞3着のファントムシーフ(牡・西村)は2度目のダービー連覇(通算7勝目)に挑む武豊とコンビ結成。GⅢ共同通信杯勝ちのある東京コースに戻る今回は侮れない存在になる。

 皐月賞上位組以外にもGⅡ京都新聞杯勝ちのサトノグランツ(牡・友道)、GⅡ・UAEダービー2着から臨戦するGⅠホープフルSの勝ち馬ドゥラエレーデ、プリンシパルS覇者のパクスオトマニカ(牡・久保田)など伏兵陣も多彩。まさに頂上決戦の名にふさわしい好メンバーが集結した。

著者:東スポ競馬編集部