スプリンターズステークス

[GⅠスプリンターズステークス=2023年10月1日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝外1200メートル]

 前哨戦のGⅡセントウルSで14番人気のテイエムスパーダが仰天の逃げ切りVを決め、WIN5で歴代5位となる払戻金=4億円超の〝核〟となったのは記憶に新しい。今春のスプリントGⅠ高松宮記念も荒れた。12番人気ファストフォースが激勝し、3着に13番人気トゥラヴェスーラが食い込んだことで3連単は66万8280円のビッグ配当となった。

 こんな流れで人気馬が順当に勝つと思うほうが異常だ。風雲急を告げるスプリント路線。最低人気Vの2000年ダイタクヤマト級とまでは言わないが、今年のスプリンターズSは堂々と伏兵から勝負すべきだろう。

 昨年、7番人気で2着したウインマーベル(牡4・深山)が、人気馬の裏で激走の〝機〟をうかがっている。前走のGⅢキーンランドCでは最下位16着に敗れたが、これにはそうなるべき理由が複数あった。

「順調さを欠いていましたし、道悪もあって余計に走れませんでしたね」とは芝崎助手。1週前追い切り後に挫石の症状が出て、週末の日曜追いを断念。完璧な調整パターンを取れなかったうえ、当日はあいにくの道悪。しかも、スタートで挟まれて後方に下げざるを得ない形と、〝三重苦〟を強いられた。

 今回は順調だ。攻め駆けしないタイプだけに、時計は目立たないが、1週前は杉原(レースは松山)を背に、美浦南ウッドでビッシリ追って6ハロン83・0―38・3―11・8秒を計測。不安なくやれているのが何よりいい。

「そこまで攻め馬でよく見せるタイプじゃないですからね。この中間はしっかり稽古を積めています。斤量が増えて、メンバーが強くなる中でどこまでやれるかですが、昨年の2着馬ですからね」(同助手)

 最下位からの大逆転Vへ――。秋のGⅠ1発目から驚くべき激走を期待したい。

昨年の2着馬ウインマーベルの激変を期待
昨年の2着馬ウインマーベルの激変を期待

著者:東スポ競馬編集部