NHKマイルカップ2024

[GⅠNHKマイルカップ=2024年5月5日(日曜)3歳、東京競馬場・芝1600メートル]

 現代競馬における最重要ポイントは牧場=トレセンの連携。ぶっつけでのGⅠ挑戦、1か月程度のレース間でも放牧に出ることが少なくない現状では、これがうまくいくかどうかが勝敗を左右する。

 先週の天皇賞・春は在厩調整のテーオーロイヤルとブローザホーンが1、2着。こういう結末になってしまうと当欄は手が出ない。外厩全盛の現代においてこれはレアケースと割り切るしかない。

 今週の3歳マイル王決定戦で「2強」と評されている牡牝の2歳チャンプだが、ジャンタルマンタルは中2週とあって在厩での調整。デビューから皐月賞前までは毎回レース後に山元トレーニングセンターまで放牧に出て、レースで勝ち負けしていた馬だけに、初の在厩調整オンリーがマイナスに働かないとも限らない?

ノーザンファーム天栄利用のアスコリピチェーノ(右)が怖い
ノーザンファーム天栄利用のアスコリピチェーノ(右)が怖い

 となれば2強のもう一頭、アスコリピチェーノ一択だ。こちらも中3週と間隔はそこまで空いていないが、レース3日後の4月10日にノーザンファーム天栄に出して約1週間(4月19日まで)静養して、再度立ち上げている。

「ノーザンファーム天栄のほうで見ていただいていたんですけど、非常に精神状態も食欲も安定して、回復状況はすごく良かったです」と黒岩調教師。桜花賞好走の反動で体が減るどころか、「食欲があることから体が増えすぎる懸念がありました」というから疲れはまったくないということだろう。短い間隔でも外厩を活用したほうがレースでのパフォーマンスは上がるという現代競馬の法則を証明してくれるはずだ。

【NHKマイルC 出走馬の外厩利用状況】

1枠1番ダノンマッキンリー
ノーザンファーム天栄(滋賀県)3月19日〜4月12日

1枠2番ノーブルロジャー
チャンピオンヒルズ(滋賀県)3月28日〜4月9日

2枠3番ディスペランツァ
在厩調整

2枠4番イフェイオン
在厩調整

3枠5番ボンドガール
在厩調整

3枠6番ロジリオン
Tоmоrrоw Farm(栃木県)3月21日〜4月12日

4枠7番チャンネルトンネル
在厩調整

4枠8番エンヤラヴフェイス
チャンピオンヒルズ(滋賀県)4月7〜17日

5枠9番キャプテンシー
在厩調整

5枠10番ウォーターリヒト
在厩調整

6枠11番アレンジャー
在厩調整

6枠12番ゴンバデカーブース
山元トレーニングセンター(宮城県)2023年10月13日〜同年11月24日→(美浦トレセン)→2024年1月19日〜4月3日

7枠13番シュトラウス
ノーザンファーム天栄(福島県)3月19日〜4月16日

7枠14番アスコリピチェーノ
ノーザンファーム天栄(福島県)4月10〜19日

7枠15番マスクオールウィン
在厩調整

8枠16番ジャンタルマンタル
在厩調整

8枠17番ユキノロイヤル
在厩調整

8枠18番アルセナール
ノーザンファーム天栄(福島県)2月14日〜4月6日

※2024年 GⅠ馬券圏内を送り込んだ外厩ランキング

【1位】ノーザンファームしがらき=1着2回、3着1回

【2位】ノーザンファーム天栄=1着1回、2着2回

【3位】チャンピオンヒルズ=1着1回、2着1回

【4位】宇治田原優駿ステーブル=2着1回、3着1回

【5位】山元トレーニングセンター=3着2回

【6位】大山ヒルズ=3着1回

※在厩調整=1着2回、2着2回
※外国馬=3着1回

著者:東スポ競馬編集部