今週末、JRA100勝達成を目指す永島
今週末、JRA100勝達成を目指す永島

 昨年はキャリアハイとなるJRA50勝を挙げ、デビュー4年目の今年はGⅢマーメイドS(アリスヴェリテ)で自身初の重賞制覇。永島まなみ(21=栗東・高橋康)が着実にステップアップを遂げている。

「重賞を勝たせていただいて、より大きな舞台で勝ちたいと思いました」

 現状に満足することなく、腕を磨いていきたいと話す。

 そんな彼女が成長のきっかけになったと振り返るのが、大先輩からのアドバイス。「横山(典弘)さんから“一頭一頭の個性に合った乗り方を”と教えを頂いて、いろいろ考え方が変わってきました。減量ありきの乗り方じゃなくて、減量がある中でもその馬に合った乗り方、その馬の一番力を出せる乗り方をと」

 一方、騎手としてより深いアプローチを求めるようになった今でも「競馬に乗るのがすごく楽しいんです」と根底にある気持ちは変わっていない。だからこそ、向上心も人一倍。「レースでできることも以前に比べると増えてはきましたが、満足はしていません。もっと上を目指せるように頑張りたいです」

 現状、一番の課題として取り組んでいるのは道中の折り合い。「力みやすい馬だと脚をためながら抑えるんじゃなくて、ただ抑えるような形になってしまう時があって。川田さんやルメールさんたちは、その中でも脚をためながら抑えてレースをされているので。細かい技術にはなると思うんですけど磨いていけたらなと思っています」

 普段は優しい笑顔が印象的だが、厩舎関係者からは「負けず嫌い」との評価も少なくない。そんな話を振ってみると「小さいころもマラソン大会で負けたくなかったので、1位を取るために走っていたりしていました」と照れ笑い。続けて「勝負事は負けたくないです。勝ってなんぼの世界なので。同期にしろ先輩にしろ後輩にしろ、誰にも負けたくないという気持ちで臨んでいます」とキッパリ。

 熱い気持ちを胸に秘めながら成長を続ける21歳。今後のさらなる飛躍に注目だ。

☆ながしま・まなみ 2002年10月27日生まれ、兵庫県出身、21歳。高橋康之厩舎所属。21年免許取得。今年は6月30日終了時点で21勝(重賞1勝)、全国リーディング26位につけている。現在JRA通算99勝で、区切りの100勝へ「マジック1」としている。

著者:東スポ競馬編集部