[GⅢ七夕賞=2022年7月10日(日曜)3歳上、福島・芝2000メートル]

 2019年9月に1勝クラスを勝って以降、13走。一貫してマイルの距離を使ってきたフォルコメンが、突如、2000メートルの七夕賞に〝乱入〟してきた。しかも、頭打ちになっての苦し紛れの采配ではない。前走・GⅢダービー卿CTで2着と結果を出したにもかかわらず、だ。適当なレースがないわけでもない。再来週には小倉で1800メートルの中京記念、来月には新潟マイルの関屋記念があるにもかかわらず、10ハロン戦に路線変更。しかも、そのタクトを振ったのが天下の堀厩舎というから、確かな計算のもとのキャラ変なのだろう。

 実際、堀調教師は「距離は大丈夫です」と確信に満ちた口ぶりで話す。もともと、1800メートル、2000メートルにも使ったことがあった馬が、マイルに特化した理由は折り合いの難しさだ。道中力む面をところどころに出すことがあり、距離短縮でマイルに使ったら、見事に安定したという経緯。それが突然の距離延長、背景にあったのは前走のレースぶりだ。

 後方3番手でゆったり走った姿に「ミルコ・デムーロ騎手の得意技でしまいにいい脚を使ってくれました。いかにスムーズに自分のリズムで走れるかどうかでしたが、いい内容だったと思います」と評価したトレーナー。「あのレース内容から距離を延ばして使ってみようということになりました」。つまり、年相応の落ち着きが出たことで、それに見合った距離にチェンジすることを決めたということだ。

マイルから中距離へ路線変更するフォルコメン

 6月30日の1週前追い切りは美浦南ウッド5ハロンから66・2―37・2―11・0秒と上々の伸び脚を披露。併せ馬でリズムを乱さずゴール板を駆け抜けた。

「6月10日に帰厩したのですが、今回は健康状態が良く、心身のバランスが取れていて、追い切りもスムーズ。30日に追った後の馬体重は514キロ。息遣いもいいですね」と指揮官も充実ぶりに太鼓判を押した。

 今年の〝七夕〟は6歳セン馬が新たなステージに出会う一日になりそうだ。

著者:東スポ競馬編集部