大磯町の下町9地区で江戸時代から受け継がれてきた小正月の火祭り「大磯の左義長」が、1月14日に北浜海岸で行われた。国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統行事だが、新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。

無病息災など祈願

海岸に藁や竹、正月飾りなどをうずたかく積み上げた高さ8メートルほどのサイト9基が設けられ、日没後に恵方から一斉に火を点ける「セエトバレエ」が行われた。町民らは、竹竿に括り付けた団子を燃え盛る炎であぶって食べて、今年1年の無病息災や家内安全を願った。

炎の勢いが落ち着くと、寒空に勇ましいふんどし姿の男たちが登場。海岸に木遣り歌を朗々と響かせた後、海に入り、疫病神を封じ込めた仮宮を海側と陸側に分かれて綱で引き合う「ヤンナゴッコ」を行って豊漁を祈願した。

この日は3年ぶりに行われる火祭りを一目見ようと、多くの来場者が海岸を訪れた。大磯町左義長保存会の二梃木政義会長は「3年ぶりだが賑やかな左義長となり、無事開催できて良かった。これからも皆さんと協力して、地域の伝統を継承していきたい」と語った。