JR東日本は今月、武蔵中原駅と武蔵新城駅へのホームドア整備を2023年度中に実施すると発表した。川崎市の補助金制度を活用した事業で、中原区内の対象駅での整備は今回の計画で完了する見込み。

線路への転落や列車との接触を防ぐなど、安全性向上のために設置されているホームドア。今回設置されるのは、武蔵中原駅の1・4番線と武蔵新城駅の1・2番線で、従来型とは異なる「スマートホームドア」を採用。安全性を維持して軽量化し、製造コストの削減や工期を早められるなどの利点から積極的に導入されているという。同社では「世界的な半導体不足の影響により、必要な部材の一部の調達が遅れているが、調達状況をタイムリーに見極め、整備目標の完遂を目指す」としている。

武蔵中原駅、武蔵新城駅ともに具体的な設置時期は非公表だが、今年度末に完了する予定。使用開始時期が決まり次第、駅のポスターなどで周知するという。担当者は、ホームドア設置後も「駅員らによる声掛けや見守り、構内放送を行い、引き続き安全に利用できるよう努める」と話す。

同社では東京圏の在来線主要路線330駅への31年度末までの導入を目標としており、今年度は区内2駅を含む12駅24番線の整備を進める。1日あたりの乗降者数が10万人以上の駅舎へのホームドア等整備を対象とする川崎市の「鉄道駅舎ホームドア等整備促進事業」の補助金を利用するもので、昨年2月には武蔵小杉駅に南武線初となるホームドアを設置している。国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」も活用し、特定の区間の運賃を3月から10円増額し、ホームドアを含むバリアフリー設備の整備費用に充てている。

区内の駅ではほかに、東急電鉄の元住吉駅、武蔵小杉駅、新丸子駅でホームドアの設置が完了している。