精巧に再現されたJR高尾駅や旧浅川町役場、江戸時代の小仏関所の立体地図などミニチュア作品がずらり--。裏高尾町にある高尾駒木野庭園・旧民家ギャラリーで、4月に「昔なつかし高尾山麓ミニチュア建築展」が開催された。

作者は、同町在住の堀越信治さん(74)=人物風土記で紹介。定年後の余暇を使って、写真や図面などを参考にこつこつと制作してきた力作のうち約10点を披露した。

あふれる地元愛

「この駅舎は空襲で焼失して現存しない。こちらの関所は江戸を守るために西側が厳重につくられていたことがわかる」など、作品について熱心に解説する堀越さん。その熱意にJR高尾駅も、駅の図面や古い駅名標などを特別に貸し出し協力した。来場者からは「高尾がもっと好きになった」「新作が楽しみ」と感想の声が上がる。

堀越さんがミニチュアを作るようになったのは、3年ほど前。経営していた会社を畳み、生まれた時間の退屈しのぎに制作するうちに、のめり込んでいった。地元の歴史的建造物や、かつて存在していた建物を作ると好評だったことから、そちらを中心に制作するようになったという。堀越さんは「現存する建物でも、いずれ失われる時が来る。それまでにミニチュアを作って、後世に残していければ」と意欲を燃やす。

次の作品展は6月2日(金)から14日(水)まで、浅川市民センター(高尾町1652の1)で予定。