相模原警察署は、春の全国交通安全運動(5月11日から20日)に合わせ、相模原交通安全協会などと連携して区内各所で啓発活動を行った。今年4月から努力義務となった自転車のヘルメット着用を推進し、市民の交通安全への意識を高めてもらうことが目的。同署管内では、4月末の時点で自転車事故が90件発生。昨年に比べて29件増加している。

初日の11日には、警察署前で秋本剛署長や同協会会員、ボランティアなど約30人が参加し、キャンペーンを行った。あいにくの雨で短時間の活動となったが、啓発チラシのほか、腕に巻く反射バンドやティッシュ、文房具などを配り、通行人や自転車利用者に交通マナーの向上や交通ルールの順守を呼びかけた。

同署交通第一課の木村浩之課長は「過去5年の統計で、死亡事故の約7割は頭部のけがが致命傷になっている」と話し、命を守るうえでのヘルメット着用の重要性を語った。

一日署長に沙月さん

「第50回相模原市民若葉まつり」では、13日に警察署主催の「安全・安心パレード」が行われた。これには相模原市出身の元宝塚歌劇団・沙月愛奈さんが一日警察署長として登場。沙月さんは集まった人々に「子どもや免許を持っていない人は、運転する人にとって当たり前のマナーやルールを知らない人も多い」と話し、「未来ある命が奪われてはいけない。事故をみんなで防ぐために、このキャンペーンを機に家族で交通ルールの確認をしてみては」と呼びかけた。

同協会の田所豊会長は「中央区は平坦で自転車を活用する人も多い。事故を減らすためにはスピードを出しすぎず、ゆとりを持った運転を」と訴えた。

自転車も「車両」

上溝公民館では、19日に中央区安全・安心まちづくり推進協議会上溝支部の主催で、同署木村課長による交通安全講和が開かれ、同会の会員や相模原交通安全協会の会員など約20人が集まった。

木村課長は自転車のヘルメット着用を改めて訴えるとともに、危険な運転についても注意を促した。雨の日の運転については、傘差し運転だけでなく、カッパを着ての運転も「雨を避けようと目線が下がるため危険」という。ほかにもスマートフォンを操作しながらの運転、イヤホンなどを着用しての運転の危険性を経験をもとに伝えた。

さらに、ゴールド免許の人でも自転車の運転では意識が低下し事故を起こすケースを数多く見てきたといい、「自転車が歩行者を死亡させる事故も起きている。自転車も車両であるという意識を」と呼びかけた。