鬼ごっこと玉入れの要素を組み合わせた「ペガーボール」を広く普及させようと、川崎区東田町で事業を営む柴田徹郎さん(49)が力を注いでいる。昨年6月には日本ペガーボール協会川崎支部を設立。今夏からカルッツかわさき(川崎区富士見)で体験会を予定する。柴田さんは「多様性に溢れる川崎だからこそ浸透するはず」と力を込める。

ペガーボールは知的障害のある子どもの運動量を確保する目的で、2014年、福岡県の事業として考案されたのが始まり。16年に一般社団法人日本ペガーボール協会が設立され、練馬区、豊島区、杉並区に支部が立ち上がった。

ペガーは「くっ付く、付着する」の意味。面テープが付いたポンチョを着用したペガーマンと呼ばれる鬼役を目掛け、やわらかいボールを当て、当てたボールの多さを競う。「鬼ごっこよりも運動量が豊富で玉入れよりも簡単にできる。車いすに乗っている子や、投げる力の弱い子も一緒に遊べ、誰もが夢中になれる」。同協会理事も務める柴田さんは魅力を語る。

協会は全国の特別支援学校に普及を図るため寄贈を続けている。障害者と健常者のスポーツ交流を全国に広げ、将来はパラリンピックの種目入りも夢見る。市内では市立柿尾小学校の特別支援学級や低学年のクラスで取り入れられ、協会が道具一式を寄贈した。

カルッツかわさきでの体験会は月1回ペースで開催予定。要望があれば地域イベントや保育園、幼稚園、小学校にも出張を行うとしている。柴田さんは「バスケットボールやドッジボールコート程度の広さで楽しめる」と呼びかける。このほか、競技開催をサポートするボランティア確保にも努める予定だ。問い合わせは【電話】044・223・1075。