昨年1年間に県内で受理された運転免許の自主返納は約3万3千件。保土ケ谷警察署管内では685件あり、今年もすでに250件以上の申請があるという。その大半は65歳以上の高齢者だ。
いざ返納を考えたとき、気になるのは手続きの仕方。5月に揃って免許返納の申請を行った、権太坂在住の小林英雄さん(81)眞佐子さん(79)夫妻に密着した。
※
県剣道連盟の会長でもある英雄さん。娘からの助言や、同世代で歌手の橋幸夫さんが今年3月に免許返納したニュースを見聞きし、夫婦での自主返納を決意した。シャトルバスで買い物などに行ける環境にあることも返納を後押しした。
「こちらの書類に記入お願いします」。保土ケ谷警察署の窓口で手渡されたのは「運転免許取消・一部取消申請書」。氏名や生年月日などを記入し、免許証と一緒に提出すれば手続き終了だ。
待つこと約10分。署員から「長年運転お疲れさんでした」の一言とともに「申請による運転免許の取消通知書」が渡され、無事返納は完了。
書類を見つめながら「やっぱりショックはあるね」と寂しげに話す英雄さん。一方で眞佐子さんは「親切に説明していただき、そんなに時間も掛からなかったのでびっくりしました」と感心した様子だった。
二人は運転経歴証明書も合わせて申請。こちらは手数料1100円で発行でき、更新は不要。身分証明書として使えるほか、提示で特典を受けられる企業・店舗もある。交付は約1カ月後だが運転免許センターでの申請なら即日交付も可能だ。
約3割が高齢者関係事故
保土ケ谷警察署によれば、昨年管内で起きた交通事故454件のうち、高齢者が関係するものは約3割。保土ケ谷交通安全協会は「高齢者講習に向けて不安などがあれば、受講前に免許返納の相談をしてみることをお勧めします」と話す。