落合克宏市長は5月31日、6月補正予算案を発表した。4月の統一地方選挙を見据えての骨格編成となった今年度当初予算を受け、子育て支援を中心とした施策の拡充や新規事業に向けた予算を肉付けした。

一般会計の補正額は約11億3千万円で、肉付け後の総額は約887億4千万円。前年度の当初比で0・7%増加し、2021年度に次ぐ過去2番目の予算規模となる。

落合カラー鮮明に

落合市長は4月の市長選で再選したことを受け、選挙公約で掲げた子育て支援に関する施策を次々と予算化。約11億3千万円のうち19%を占める約2億1718万円を子育て関連の事業費に充てるなど、6月補正は「落合カラー」を鮮明に打ち出す形となった。

目玉となるのは、小児医療費助成の対象拡大だ。周辺自治体の中では初めて18歳(高校生相当)までの引き上げを行うとし、所得制限も設けない。従来の中学校卒業相当までの助成対象者は約2万9千人で、助成拡大により約7千人が新たに対象となる。補正額は約2911万円で、開始時期は今年12月を予定している。

新規事業では、民間保育所が2歳児までを対象に紙おむつの定額サービスを導入しやすくするため、認可保育所などのおむつ処分に対して補助金を交付する。拡充事業としては、小1プロブレムや中1ギャップなどの解消に向け、学習支援補助員の「サン・サンスタッフ」の増員事業などを盛り込んだ。

落合市長は「平塚を魅力付けして持続可能なまちにしていくためには、子育て支援が施策の中心となる。これらの施策を通して、平塚は子育てができている街なんだと認識してもらいたい」と話した。

キャッシュレス還元率引き上げ

物価高騰対策の一環としては、市独自のキャッシュレス決済事業「ひらつか☆スターライトマネー」の利用還元率を引き上げるキャンペーン事業費として約3億2100万円を計上した。

7月に限り還元率を通常の3%から10%に引き上げるもので、今年4月の利用規模(約2億円分)の3倍となる6億円の発行規模を見込む。市産業振興課によると、スターライトマネーは市内外の約7万人が登録しており、市内の約千店舗で利用できる。今後の利用状況などを受け、年度内に追加キャンペーンも実施予定という。

主な新規事業としては、神奈川中央交通などと連携した路線バスの自動運転化に向けた実証実験の業務委託費に約1億8千万円、湘南平頂上へのインクルーシブ遊具設置事業に約1千673万円などを盛り込んだ。

補正予算案は、6月7日に開会した6月市議会定例会で審議される。