秦野市は9月11日、小学校4校7学級での学級閉鎖を発表した。インフルエンザを含む体調不良による閉鎖が5学級、新型コロナウイルス感染症を含む体調不良による閉鎖が2学級。9月12日から14日(一部13日)まで行われており、インフルエンザによる学級閉鎖は今シーズン初となる。
秦野市と伊勢原市を管轄する平塚保健福祉事務所秦野センター予防課によると、例年より早いインフルエンザの感染報告について「今年の流行が早まったのではなく、2022/2023シーズンの流行が終わらなかった」との見解を示す。
季節性インフルエンザは毎年第36週から翌年35週までを1シーズンとして定点観測を行っている。神奈川県での22/23シーズンは22年12月12日〜18日の週にインフルエンザの流行開始の目安となる定点当たり報告数が「1」を超え、その後は注意報レベル(10)へ。警報レベル(30)を超えることはなかったが、23年第18週(5月1日〜7日)に全県定点当たり報告数が「0・8」となるまで流行は続いた。
しかし、以後も断続的に「1」を超える状況が続いたほか、西日本で流行が途絶えず、全国レベルでは「1」を下回ることなく推移。そのまま23/24シーズンに突入することになった。
神奈川県では第34週(8月21日〜27日)からは再び定点当たり報告数が「1」を超え、第36週(9月4日〜10日)には5・45、政令指定都市を除く県域では5・55と増加。同センター管轄でも3・1となった。こうした状況を受け、県は9月14日に「23/24シーズンのインフルエンザの流行開始」を発表している。
同センターによると、20年以降、新型コロナに伴う感染症対策の徹底でインフルエンザの発症が抑制され「抗体を持たないため、罹患しやすい人が増え、流行しやすくなっている」と話す。また、以前はAH1型が多かったが、現在はAH3型が増えているという。
マスク着用と石鹸で手洗いを
インフルエンザの流行に伴い、新型コロナウイルス感染症の報告数も増えてきている。
同センターは感染予防について「まずはマスクです」と話す。これからの季節は感染性胃腸炎も流行することから「ノロウイルスには無効のアルコールで手指消毒するより、石鹸を用いた手洗いでウイルスを洗い流すことが有効」としている。うがいは飛沫が飛び、消毒薬で口腔粘膜を痛めることもあるため、歯磨きで口の中の衛生を保つことも重要だという。
そのほか、子どもがいる家庭ではおもちゃやドアノブ、蛇口などは拭き掃除で清潔に保ち、ペットボトルの飲みまわしや家庭内でもタオルの共有を避けるなど、対策を呼びかけている。