小田急江ノ島線鶴間駅(勝間田兼二駅長)がこのほど、市立図書館が行う「まちなか絵本スポット事業」を利用して駅構内に絵本30冊を設置した。小田急全線(全70駅)の駅構内に絵本を設置するのは、鶴間駅が初めて。

「子育てしやすい沿線」を目指す小田急電鉄株式会社では今年3月、沿線の7駅に完全個室で授乳やおむつ交換などができる「ベビーケアルーム」を展開した。鶴間駅では改札横の売店だった場所を活用し、ベンチや自動販売機を設置するも「利用している方はあまり多くなかった」と勝間田駅長は振り返る。

そのような状況を受けて、鶴間駅は「お子様連れの方も利用しやすい工夫が必要では」と、市立図書館が取り組む「まちなか絵本スポット事業」に目を付けた。

この事業は「子どもの読書活動を推進すること」を目的に2022年8月から同館が始めた取り組みで、市内の子どもが集まるスペースに30冊の絵本セットを1年間貸し出している。11月3日時点でスーパーマーケットや病院など、24拠点が利用しているという。

同館の松田彰館長は「普段絵本に触れる機会が少ない方にも手に取っていただき、図書館に来館するきっかけになれば」と話している。

「気軽に利用を」

鶴間駅はこの事業を利用して10月17日に絵本30冊を設置した。沿線初の取り組みに対し、「設置前に比べ、利用している方が増えた印象。今後も気軽に利用してもらいたい」と勝間田駅長。より親しみを感じてもらうために、同駅職員による手づくり看板を設置するなど、利用客へのPRにも工夫を凝らしている。