秦野警察署管内での特殊詐欺の認知件数が11月20日現在で51件(前年同期比23件増)、被害額は約1憶1500万円(同8000万円増)と前年から大幅に増加している。年末にかけて被害が増加傾向にあることから、秦野署ではパトロールなどを強化している。

秦野警察署によると、最も多い詐欺の手口は息子や孫などを語った「オレオレ詐欺」。キャッシュカードを準備させて訪問し、隙を見て盗取する「キャッシュカード詐欺盗」なども、今年の前半には被害が多かったという。また、昨年や一昨年は、年末にかけて特殊詐欺の被害が増加しているという。秦野警察署では今年も年末を控え、「最大限の人員で警戒を強化する方針」と話す。前兆電話の通報が入ったら、前兆電話のあった地域を防災無線で知らせたり、犯人が待機する駅周辺のパトロール強化、車での注意喚起などを行う。「前兆電話の通報は毎日のようにある。電話を聞くとだまされてしまうので、通話の録音や留守電などを上手く活用してほしい」

中栄信金職員に感謝状

そんな中、特殊詐欺を未然に防いだとして中栄信用金庫渋沢支店の職員・小宮愛斗武(あとむ)さんが11月10日、秦野警察署から感謝状を贈られた。

中栄信用金庫渋沢支店に10月4日の午前、「長男が仕事でトラブルを起こしたため、150万円を出金したい」と70代の夫婦が来店した。小宮さんが声をかけ詳しい事情を確認したところ、詐欺ではないかと疑い、上司と相談して通報したという。小宮さんは「お客様と関係性を築ける接客の指導を受けており、普段から応対を心掛けている。お声がけしてよかった」と振り返る。