災害支援を目的とした市民ボランティア団体「fromYokosuka」(早川崇文代表理事)が2月10日、能登半島地震の被災地・石川県能登町を訪問し、街頭募金などで集めた300万円超の義援金を届けた。現地では炊き出しの協力や物産品購入を通じた支援を実施。今後も継続して活動を続ける。

同会は東日本大震災の被災地支援活動を機に、市内有志が集まり発足したボランティア団体。2019年にNPO法人となり、地震のみならず風水害で甚大な被害を受けた地域を後押ししようと、迅速に募金の呼びかけや支援物資の提供などに取り組んできた。

メンバーらは能登半島地震の発生を受けて、1月7日から約1カ月、街頭での募金活動を実施。総額317万9207円を集めた。

有志6人は石川県能登町を訪問し、同地でほぼ毎日炊き出しを行っているNPO団体の「ボンドアンドジャスティス」ほか4団体に義援金を寄付した。これらは被災者支援に役立てられる。

メンバーは炊き出しボランティアとして仕込みや配布の手伝いに参加したほか、能登島で仕入れた地場野菜を横須賀へ持ち帰り、協力飲食店での委託販売やメニュー食材に取り入れてもらうなど奔走。「被災した酒蔵にも現地で直談判して可能な限りの数を用意してもらい、希望者の代理購入という形で橋渡しをした」という。

継続して後押し

同会は今後の活動について、「横須賀の災害支援のプラットフォームのひとつ」とした上で、「支援の形は人それぞれ。『支援したいがどうしたらいいか?』と考える人たちが気軽に参加して想いを繋げられる団体でいたい」と話す。

能登町に限定して、ボランティア受け入れのパイプ役を担うほか、会の趣旨に賛同した飲食店など市内各所での募金箱の設置や、街頭募金活動も継続して行っていく予定だという。

詳細は早川さん【携帯電話】090・8777・8561

「当たり前の生活に感謝」早川代表理事が語る被災地

電気、ガス、ガソリンは潤沢とは言えませんが復旧しつつあり、一方でいまだ断水が続いてる状況で、時間を要するように感じました。一見落ち着いているように見えても、家の中はまだまだ人手が足らず、地盤が傾いて基礎が崩れたり、大きなクラック(ひび割れ)があったり、屋根以外はぺしゃんこになり、車が下敷きになっていたり--。思わず目を逸らしたくなる光景がありました。

印象的だったのは、現地の皆さんが明るかったこと。笑顔で迎え入れてもらい、炊き出しのお手伝いでは地元のお母さんとずっと笑いが絶えませんでした。しかし、会話の中で聞いた、「当たり前が当たり前でなくなった時の気持ち」は、私には受け入れ難いリアルでした。

普段の生活で、スイッチを入れれば電気がつく。火がついてお湯が沸く。暖を取れる。蛇口をひねれば水が出る。これらは全て何もなければ、当たり前のはずです。でも、その当たり前が一瞬の出来事で当たり前ではなくなるという事実。幸せは人によって計るものさしが違いますが、1つひとつの当たり前が小さな幸せで、その小さな幸せの積み重ねの日々、日常が実は大きな幸せだったりするんだな…と。日々の当たり前に感謝して過ごさなければと改めて再認識させてもらいました。

(一部抜粋・要約)