川崎市消防航空隊は、1月1日に起こった能登半島地震を受け、翌2日から20日までの期間、4回被災地へ派遣され、さまざまな活動を担った。

同隊の消防ヘリコプター「そよかぜ2」が東京ヘリポートを離陸したのは、2日の午前7時47分。石川県小松空港到着後、現地に派遣された他県の消防隊員を金沢市内から能登町へ輸送した。道路状況が悪く、陸路では、各都市から応援に駆け付けた消防部隊が現場まで近づくことが困難な状況だったという。

あらゆる可能性を想定

2回目の派遣では、孤立地区となっていた輪島市内の漁港に、空中から隊員をロープで降ろし、安否が分からなくなっていた2人を探した。派遣された同隊の佐藤悠さん(45)は「家屋の下敷きになっていた場合など、あらゆる可能性を想定して任務にあたった。安否不明者がケガもなく、無事に見つかったときは、心からほっとした」と思いを語った。被災地に対しては「土砂災害で道が寸断されているなど、過酷な状況であることが分かった」と述べた。

その後の派遣でも高齢者福祉施設の要介護者を安全な場所へ搬送するなどの任務を担当。4回の派遣で、延べ28人の隊員が活動した。

同隊は「雪が降ることも多く、予定通り進まないこともあったが、少しでも現地の力になればという思いで活動を続けた」と振り返った。

20日に東京ヘリポートに帰隊、すべての活動を終了したと23日に発表した。